ランクル70が買えない理由と購入対策を徹底解説 - トヨリスト：トヨタ車の選び方とおすすめ比較

「ランクル70が買えない」と検索する方は、なぜこの本格オフロードSUVがこれほどまでに手に入りにくい状況にあるのか、そしてどうすれば憧れのランクル70を手に入れることができるのか、具体的な解決策を探していることだろう。再販後も続く生産台数の制限や高まる海外需要、さらには中古車価格の高騰や厳しい抽選販売・購入条件、そして長期にわたる納車待ちといった複数の要因が絡み合い、入手困難な現状を生み出している。また、その無骨なデザインと高い耐久性からくるレトロブームも人気の後押しとなっている。

この記事のポイント

ランクル70が入手困難となっている背景と具体的な理由
生産体制や海外市場における流通の現状
抽選販売の仕組みと当選率を高めるための戦略
購入が難しい場合の代替案と中古車市場の活用法

ランクル70がなぜ買えないのか？その背景を解説
ランクル70が買えない状況を乗り越える対策

ランクル70がなぜ買えないのか？その背景を解説

インデックス

生産台数の制限がランクル70買えない原因
高まる海外需要がランクル70買えない現状に拍車
中古車高騰がランクル70買えない大きな要因
抽選販売や厳しい購入条件でランクル70を買えない
長期納車待ちがランクル70買えない理由
レトロブームと高い耐久性がランクル70人気を後押し

生産台数の制限がランクル70買えない原因

ランクル70が新車で手に入りにくい最大の理由は、生産台数が厳しく制限されているためだ。このモデルは、1980年代に基本設計が遡る「ヘビーデューティー」なシリーズであり、過去には国内販売を終了していた。その後、2014年から2015年にかけて期間限定で復刻販売が行われたが、基本的には新車での入手が困難なモデルである。2023年11月の再販開始直後には、わずか4日間で5万件を超える受注を記録し、受付が終了するほどの人気ぶりだった。

このような受注殺到に対応するため、生産台数の制約と転売対策を兼ねて、現在は抽選販売方式が導入されている。各地域のディーラーごとに台数制限付きの抽選販売が実施されており、全国統一のスケジュールではなく、販売店ごとの抽選となる点が特徴だ。

ランクル70の生産はトヨタ車体の吉原工場のみで行われており、この工場自体に拡張性がないため、増産が物理的に難しい状況にある。特に、ピラーやボディ開口部などの溶接作業が手作業で行われており、これは吉原工場の熟練した職人にしかできない作業だという。このような「手仕事」が求められる生産体制が、急激な増産を阻む大きな要因となっている。また、トヨタは近年、ランクル70以外の最新モデルやグローバル市場向けの車種に製造リソースを集中させており、旧型モデルであるランクル70の大規模な生産は難しい。加えて、近年の世界的な半導体不足やサプライチェーンの問題も、ランクル70の生産に悪影響を与え、供給をさらに制約している。結果として、月販台数400台に対して、すでに2年先まで予約が埋まっている状況が続いている。

高まる海外需要がランクル70買えない現状に拍車

ランクル70が日本国内で入手困難となっている背景には、海外市場からの旺盛な需要が大きく影響している。ランクル70は、その優れた耐久性と信頼性から世界中で高く評価されているモデルだ。特に中東やアフリカなどの過酷な環境で使用される地域では、「インフラを支える車」として絶大な支持を集めている。この海外需要によって、日本国内の優良な中古個体が海外業者に買い付けられ、国内在庫の減少とそれに伴う価格上昇という流れが生まれている。

日本での割り当てが少ない一方で、生産されているランクル70の多くは海外へ送られているのが現状だ。特に中東の湾岸諸国地域（GCC）では、ディーラー街にランクル70の新車在庫が溢れている様子が報告されている。ここからさらに他の地域へ再輸出されることも多く、日本国内では想像できないほどの多種多様なランクル70の在庫が賑わっている。また、オーストラリアでも需要に対して供給が全く追いついておらず、早々に何年分ものバックオーダーを抱えている状況だ。このような世界的な需要の高さが、日本国内の限られた供給量をさらに圧迫し、「ランクル70買えない」という現状に拍車をかけていると言えよう。

中古車高騰がランクル70買えない大きな要因

新車が手に入りにくい状況が続いているため、中古車市場におけるランクル70の価格は著しく高騰している。この価格高騰は、多くの購入希望者にとって「ランクル70買えない」という現実をさらに厳しいものにしているのだ。

価格高騰の主な要因は、新車の供給が限られていることにある。前述の通り、ランクル70は生産台数が限定されており、日本国内での販売期間も限定的だったため、新車として手に入れる機会が非常に少ない。その結果、中古市場での希少性が増し、高値で取引される傾向が強まっている。

さらに、ランクル70の中古車は、その卓越した耐久性と信頼性から、長期間にわたって使用されることが多い。走行距離が多くても価値が落ちにくいという特徴があり、特に過酷な環境での使用に耐えうる頑丈なラダーフレームや優れたオフロード性能を持つパートタイム4WDシステムは、ユーザーからの厚い信頼を得ている。これにより、中古車市場における需要が安定し、高い価格が維持されているのだ。

実際の市場では、新車価格480万円（税込）のランクル70が、中古車市場では1,000万円前後で取引されている。これは新車価格の約2倍に相当する価格であり、中には1,166.9万円（税込）の車両本体価格で販売されている例もある。発売から半年も経たないうちに、大手中古車サイトで新車価格の2倍以上で転売されているケースが複数確認されており、正規ディーラーでさえ「新古車」を新車価格の約2倍で転売していた事例も過去にはあった。このような高騰ぶりは、ランクル70の購入を検討する者にとって、大きな金銭的負担となり、入手をさらに困難にしている。

抽選販売や厳しい購入条件でランクル70を買えない

ランクル70は、その人気と供給不足から、抽選販売や特定の購入条件が設けられており、これが多くの購入希望者にとって大きな壁となっている。2023年11月の再販時には、わずか4日で5万件を超える受注を記録し、これを受けてトヨタは抽選販売方式へと移行した。

現在の抽選販売は、地域ごとのディーラーがそれぞれ台数制限を設けて実施しているため、全国統一のスケジュールではない。結果として、当選倍率は非常に高くなる傾向にあり、人気の高い限定モデルの場合、抽選倍率が数十倍に及ぶこともある。購入の意思があるだけでは手に入れることが難しく、運も大きく左右される状況だ。

また、トヨタや各販売店は、転売目的の購入を防ぐために厳しい購入条件を設定している。具体的には、一定期間内の転売を禁止する旨の契約を締結することや、過去に同じ車両を所有していたかどうかを確認するなどの措置が取られる場合がある。これらの措置は、ランクル70を本当に必要としているファンや長期的に使用する意思のあるユーザーに車を行き渡らせることを目的としている。そのため、過去にランクル70を所有していた実績があるユーザーや、長期的な使用を明確に示せる購入者が優先されるケースも存在し、一般の新規購入者にとってはハードルが高くなっている状況だ。このような厳格な条件も、「ランクル70買えない」という現状の一因となっている。

長期納車待ちがランクル70買えない理由

ランクル70の購入を検討している多くの人々が直面する問題の一つに、極端に長い納車待ち期間がある。これは、生産台数の制限、世界的な半導体不足、そしてサプライチェーンの混乱といった複数の要因が複雑に絡み合っている結果だ。

2023年11月の再販後、ランクル70は瞬く間に受注が殺到し、すぐにオーダーストップとなった。この初期受注に対する納期は当初、3年とも予想されていた。しかし、実際には初期受注の半数以上はオーナーの手元に届いており、納期は若干短縮される傾向にあるとの情報もある。しかしながら、具体的なケースとして、2023年11月末に応募した購入者が約1年半後の2025年6月8日に納車されたという例も存在する。月販台数400台に対して、すでに2年先まで予約が埋まっているという情報もあり、依然として新規の注文を受け付けられない状況が続いている。

関係筋によれば、「あと2年くらい、受注再開はない」という見込みも示されており、一般的にカタログモデルと同様に常時注文ができるようになるには、トヨタがランクル70生産用に新しい工場を建設するか、生産ラインを新規で追加する以外にはあり得ない状況だという。これらの実現可能性は極めて低いとされている。

トヨタは、ランドクルーザー250やGX550といった新モデルの発売も抱えており、生産ラインの調整次第で販売体制が変化する可能性も秘めている。しかし、ランクル70のような限定生産モデルは、生産計画が厳格に管理されているため、突然の増産や納期の大幅短縮は期待しにくいのが現状だ。一部ではキャンセル枠が発生したり、ディーラー間での調整により納期が多少早まる可能性もゼロではないが、購入希望者は長期的な視点で待つ覚悟が必要である。

レトロブームと高い耐久性がランクル70人気を後押し

ランクル70の根強い人気は、単なる車の性能だけでなく、その独特の魅力が「レトロブーム」と「高い耐久性」という形で現代のユーザーに再評価されていることに起因する。

近年、1990年代から2000年代初頭のSUVや4WD車が「クラシックSUV」として再び注目を集める動きが強まっている。ランクル70の無骨で機械的な魅力や、タフなラダーフレーム構造は、現行のモダンなSUVにはないレトロな雰囲気を醸し出している。1984年の初代から変わらない四角いボディに丸目2灯のヘッドライトという組み合わせは、昭和世代には懐かしく、若い世代にはクラシカルでありながらも新鮮に映るデザインだ。これに「ランドクルーザー」という揺るぎないブランド力が加わり、相場全体の底上げを招いている。

その一方で、ランクル70は「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という設計思想のもと、堅牢性、走破性、整備性に優れたヘビーデューティーなシリーズとして誕生した。メンテナンスを適切に行えば、走行距離が20万キロを超えても問題なく稼働するほどのタフさを持つ。さらに、パーツ供給や海外からの部品調達も比較的容易であるため、長く乗り続けることができる「資産性」が評価され、これが価格高騰に拍車をかけている。特に、1HZ型の直列6気筒ディーゼルエンジンは低回転で高いトルクを発揮し、過酷な条件下でも壊れにくく、メンテナンスも容易であり、30万キロ以上の走行が可能とされる高い信頼性を持つ。

現代の技術を取り入れつつも、基本的なデザインや走行性能の哲学は維持されている点も、多くのファンを惹きつける理由だ。丸型LEDヘッドライトや切削加工されたアルミホイールなど、現代的な要素が加わりながらも、クラシックな外観と最新の安全装備が融合している。このような「変わらない強さ」と「長く乗り続けられる価値」が、レトロブームと相まってランクル70の人気の衰えを許さない大きな要因となっているのだ。

ランクル70が買えない状況を乗り越える対策

インデックス

ランクル70を買えない場合の具体的な購入対策
当選率を上げるためのランクル70購入戦略
増産の期待とランクル70買えない現実
ランクル70を買えない時の代替車種と選択肢
海外市場におけるランクル70の流通状況
転売対策の現状とランクル70の中古価格
まとめ：ランクル70を買えないと諦める前に知ること

ランクル70を買えない場合の具体的な購入対策

ランクル70の入手困難な状況に直面しても、諦める必要はない。いくつかの具体的な対策を講じることで、購入のチャンスを増やすことは十分に可能だ。

まず、新車購入を希望する場合、長期納車待ちに備えて早めに予約を行うことが非常に重要となる。再再販が実施される際には、抽選販売や早期予約が有効な手段となるため、事前の情報収集が鍵を握る。具体的には、複数のトヨタ販売店に事前登録をしておくことを推奨する。地域によっては抽選参加条件が緩い場合や、ディーラーによっては常連客を優遇する制度を設けていることもあるため、普段から整備や点検などで既存の顧客実績を積んでおくことが当選率向上につながる。

次に、グレードやオプションの選択肢を柔軟に広げることも有効な手段だ。人気の高いZX系グレードに集中しがちだが、ベースグレードの方が当選しやすい傾向にあるため、検討範囲を広げておくべきだ。また、キャンセル車両の繰り上げを狙うという方法もある。ディーラーによっては月に数台のキャンセルが発生することもあるため、こうしたキャンセル待ち枠の情報をこまめに確認することも大切だ。

中古車市場の活用も一つの現実的な解決策だが、前述の通り価格が高騰しているため、慎重な予算計画が必須だ。状態の良い個体ほど値上がりしやすく、資産価値も維持しやすいため、年式や走行距離だけでなく、整備履歴、修復歴、カスタム状況などを入念にチェックすることが重要である。ランクル70に詳しい専門店やオーナーズクラブ、SNSコミュニティなどを活用し、より信頼性の高い個体情報を得ることをお勧めする。

最後に、現在の愛車を下取りに出してランクル70の購入資金に充てる場合、ディーラー査定だけに頼らず、複数の買取業者による一括査定サービスを活用することを強く推奨する。ディーラーは新車の販売が主な目的であるため、下取り価格が市場価値よりも低く抑えられがちだ。一括査定サービスを利用すれば、複数の業者が競い合って査定額を提示するため、より高額な買取価格を期待できる可能性が高まる。ただし、一括査定サービス利用時の電話ラッシュが懸念される場合は、事前に業者に対して連絡方法をメールに指定しておくことで、このデメリットを避けることができる。

当選率を上げるためのランクル70購入戦略

ランクル70の抽選販売は高倍率で知られており、当選のチャンスを少しでも高めるための戦略は非常に重要だ。

最も基本的な戦略は、前述の通り、複数のトヨタ販売店に事前に登録し、抽選情報が入手できる体制を整えておくことだ。地域によって抽選参加条件が異なったり、店舗ごとに割り当て台数や応募状況が異なるため、広範囲にわたって情報を集めることが有効である。特に、都市圏だけでなく地方の販売店も視野に入れることで、当選の可能性が高まることがある。

次に、ディーラーとの良好な関係性を構築し、既存の顧客としての実績を積んでおくことも非常に効果的な戦略となる。定期的な整備や点検を同じディーラーで行い、車検なども依頼することで、店舗側から「優良顧客」として認識され、抽選販売において優先的な案内や、場合によっては「次回優先枠」が用意されるケースも一部販売店では存在する。営業担当者との綿密なコミュニケーションを通じて、ランクル70への強い購入意欲と長期的な所有意思を伝えることも大切だ。

また、購入を検討するグレードやオプションの選択肢を柔軟に持つことも、当選率向上に寄与する。人気のZX系グレードは競争率が非常に高いため、比較的需要が集中しにくいベースグレードなども検討の視野に入れることで、当選の可能性が高まる傾向にある。

さらに、キャンセル車両の繰り上げを狙うという受動的ながらも現実的な方法もある。納車までには数ヶ月から1年以上かかるケースが多いため、その間に購入者の都合でキャンセルが発生することがあり、その際に繰り上げ当選のチャンスが巡ってくることがある。ディーラーにキャンセル待ちの希望を伝えておくこと、そして、トヨタの公式サイトやアプリ、さらにはSNSなどをこまめにチェックし、最新の販売情報や事前告知を見逃さないようにすることが非常に重要である。

増産の期待とランクル70買えない現実

ランクル70の増産を望む声は非常に多く、多くのファンがその実現を期待している。しかし、現状としては、トヨタ側から大規模な増産計画が発表される見込みは非常に低いと言わざるを得ない。

この背景には、トヨタが近年、新しいモデルの開発やEV車（電気自動車）へのシフトを加速させていることが大きく影響している。生産リソースは新世代モデルやグローバル市場向けの車種に優先的に割り当てられており、旧型モデルであるランクル70の生産に大規模なリソースを割くことは難しい状況にある。特に、ランクル70のようなモデルは、その溶接作業の多くが手作業で行われており、これを担うことができるのはトヨタ車体吉原工場の熟練した職人「匠」に限られるため、物理的な増産が極めて困難である。一般的なカタログモデルのように、常時注文ができるようになるためには、新しい生産工場を建設するか、生産ラインを新規で追加する必要があるが、これらの実現可能性は「極めて低い」とされている。

また、企業全体の電動化比率（HEVを含む）を高めるというトヨタのグローバル戦略も、増産を阻む一因となっている。ランクル70のような純ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車を増産することは、結果として電動化比率を下げることにつながり、世界的なBEV規制対応の観点からも避けたい状況だ。ランクル70がBEVになるというのも、その「どこへでも安全に行って帰ってくる」という性質上、現実的ではない。

確かに、需要の高まりに対応するため、限定的な増産が行われる可能性はゼロではない。過去には、2014年の再販時にも1年間限定で生産期間が延長された実例がある。しかし、増産があったとしても、その規模は限定的であり、供給が大幅に拡大することは期待しにくい。加えて、世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱も依然として増産に影響を与えており、短期的な増産は現状では実現が難しい。

このような状況から、ランクル70の納期が大幅に早まる可能性も非常に低いと見られている。しかし、メーカー関係者からは、ランクル70が「特別な価値」を持つモデルであり、トヨタも多くの購入希望者が「待つ人」であることを認識しているため、生産が完全に終了することはなく、いずれ注文再開の時期は必ず来るという声も聞かれる。

ランクル70を買えない時の代替車種と選択肢

ランクル70が購入困難な現状において、本格的なオフロードSUVの購入を希望するならば、代替車種を検討することも現実的な選択肢となる。かつては三菱パジェロ、日産テラノ、いすゞビッグホーンといった国産の悪路向けSUVが存在したが、これらはすべて廃止されてしまった。現在の国産SUVの多くはシティ派モデルであり、本格的なオフロード走行に対応できる車種は限られているのが現状だ。レクサスLX、レクサスGX、スズキジムニー、三菱トライトン、トヨタハイラックスなどが挙げられるものの、LXとGXは現在注文停止中であり、ジムニーは小型の3ドア、トライトンとハイラックスはピックアップトラックであるため、ランクル70の代替として完全に適しているとは言えない場合もある。

このような状況を踏まえると、輸入車も視野に入れるべきである。ランクル70の代替として特に注目される3車種を紹介する。

メルセデス・ベンツ Gクラス

Gクラスは、その圧倒的な存在感と高いオフロード性能で知られ、ランクル70に匹敵する本格SUVと言える。しかし、その価格は現行モデルで2,110万円からと非常に高額であり、予算に余裕がある場合に限られる。人気が高いモデルのため、販売店によっては「納期は2年以上」と案内されることもあるが、約200万円の予約金を預けることで注文は可能となる。キャンセル時には返金される。

ランドローバーディフェンダー

ディフェンダーは、ランドローバーの伝統を受け継ぐ本格オフローダーであり、特に5ドアの標準ボディ「110」はランクル70の強力なライバルと目されている。直列4気筒2Lターボエンジン搭載車は855万円から、6気筒3Lクリーンディーゼルターボは905万円以上で購入できる。納期は6ヶ月から10ヶ月程度と比較的手に入りやすく、悪路走破性にも優れ、内装も上質であるため、ランクル70の代替候補として非常に魅力的だ。

ジープラングラー

ラングラーは「生粋の悪路向けSUV」と称されるモデルであり、その独特の野性味とオフロードでのパフォーマンスの高さが特徴だ。直列4気筒2Lガソリンターボエンジンを搭載し、価格は799万円から1,030万円程度で、納期は国産車と大きく変わらず、長くても4ヶ月から6ヶ月程度で納車される。ランクル70の無骨な魅力を求めるユーザーにとって、有力な選択肢となり得るだろう。

これらの代替車種は、それぞれ価格帯や納期、特徴が異なるため、自身の予算や求める性能、ライフスタイルに合わせて慎重に検討することが重要だ。

車種名	新車価格帯（税込）	納期目安	特徴
メルセデス・ベンツ Gクラス	1,844万円～2,635万円	2年以上	高額、究極のオフロード性能と高級感
ランドローバーディフェンダー	855万円～1,675万円	6～10ヶ月	高い悪路走破性、上質な内外装
ジープラングラー	799万円～1,030万円	4～6ヶ月	生粋のオフローダー、野性味溢れるデザイン

海外市場におけるランクル70の流通状況

日本国内でランクル70が「買えない」状況が続く一方で、海外市場、特に中東の湾岸諸国地域（GCC）では、驚くほど潤沢な在庫と多様なモデルが流通している。これは、ランクル70の生産の多くが海外向けに集積されている可能性を示唆している。

UAE（アラブ首長国）などの湾岸諸国では、ディーラー街にランクル70の新車が溢れかえっている様子が見られ、日本国内では想像できないほど多種多様なランクル70の在庫が賑わっている。もちろん、ここから他の地域へ再輸出される車両も多いが、それでも日本との供給量の差は歴然としている。

海外市場、特に中東向けには、日本国内ではラインナップされていない、あるいは選択肢が限られるモデルが豊富に用意されている。例えば、2ドアショートモデルの「GDJ71L（2.8DT）ショート」は、コンパクトなサイズ感とディーゼルエンジンに6速ATを搭載しており、クロカン走行から高速道路、さらには日本の道路・駐車場事情にもマッチするオールラウンドな一台として注目されている。

2024年モデルへの進化に伴い、中東地域向けには大幅なバリエーション追加が行われた。それまで4.0Lガソリンまたは4.5Lディーゼルターボで、ミッションはマニュアルのみの設定が主流だった地域で、2.8Lディーゼルターボ＋ATの追加や、2ドアショートモデルの拡充が図られたのだ。車型としては、78系トゥループキャリア、76系5ドアバン、71系ショート、79系ピックアップ（シングルキャブ、ダブルキャブ）の5形式に変わりはないが、搭載されるエンジン・ミッションの展開が豊富になり、特にAT車の追加は特筆すべき点と言える。

「GRJ71L（MT）」のような、1GR（4.0L）V6エンジンに5MTを組み合わせた質実剛健なモデルも存在し、豪華装備を不要とする「道具」としての操る楽しさを提供する。また、ガソリンエンジン車を好むユーザー向けに、1GR（4.0L）搭載の「GRJ71L」に2024年モデルから6速ATが設定されたことも朗報だ。

日本国内の再再販LC76は1GD+6ATのみの設定だが、中東仕様にはこの組み合わせが設定されており、早々に完売してしまった日本国内仕様とは異なり、中東地域には潤沢な在庫があり、グレード体系も数種類展開されている。このように、海外市場における流通状況を知ることは、ランクル70の「買えない」現状を理解する上で不可欠な情報であり、場合によっては逆輸入車という選択肢も視野に入れるきっかけとなるだろう。

転売対策の現状とランクル70の中古価格

ランクル70の人気と入手困難さから、転売行為が大きな問題となっている。トヨタは、真に車を必要とするユーザーに届けるため、抽選販売の導入や購入時の誓約書など、様々な転売対策を講じている。具体的には、購入後一定期間内の転売を禁止する契約を締結させることが多い。

しかし、このような対策が設けられているにもかかわらず、実際には発売から半年も経たないうちに、新型ランクル70が大手中古車サイトで新車価格の2倍以上という「とんでもない価格」で転売されているケースが複数確認されている。例えば、新車価格480万円（税込）のランクル70が、中古車市場では1,000万円前後、中には1,166.9万円（税込）で販売されている例もある。これらの車両の多くは走行距離がわずか12kmといった「登録済み未使用車」として出品されており、販売元が購入後すぐに転売している可能性が指摘されている。

さらに驚くべきは、過去にはトヨタ正規ディーラーでさえ「新古車」として新車価格の約2倍にあたる1,000万円で展示車を販売していた事例があるという点だ。これはランクル300でも同様の転売事例が報告されており、正規ディーラーが「簡単に転売する」状況に陥っていると批判的な見方も存在する。

これらの現状は、「誓約書」や「転売対策」が、転売行為を完全に阻止するには至っていないことを示している。本来であれば、「生涯の相棒」として長く愛されるべきランクル70が、あっさりと転売の対象となっている状況は、多くのファンにとって残念な現実だ。今後も転売対策は強化される可能性はあるが、現時点では、高額な中古車価格が続く一因として、この転売行為が大きく影響していると言えるだろう。購入を検討する際には、こうした市場の特殊性を十分に理解し、慎重な判断が求められる。