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レクサスESとカムリ 同じTNGAでも中身は別物だ

ESvsCamry セダン

「レクサス es カムリ 同じプラットフォームを採用しているらしいけれど、何が違うのか?」と疑問を持つ読者は多いだろう。実際に、レクサスESとトヨタ・カムリは、TNGAのGA-Kプラットフォームは共通利用し、搭載エンジンとハイブリッドシステムの基本は同じという点で「兄弟車」と呼ばれることがある。しかし、その共通点はあくまで基礎構造に留まり、車両の性格付けや細部に至るまで、両車の間には明確な差が存在する。特に、剛性強化と吸音材による静粛性の差 や、内装素材やインテリアの高級感、さらには新車や中古車の価格帯 に大きな開きがあることが、両車の設計思想の違いを物語っている。本記事では、レクサスESとカムリのボディサイズとホイールベースの明確な差 から、乗り心地や加速性能の方向性 までを多角的に分析し、価格差250万円(エントリーグレード比較時) に見合うレクサスのプレミアム性について徹底的に解説する。


この記事を読むことで「レクサス es カムリ 同じ」と検索した読者が具体的に何について理解を深められる。

この記事のポイント
  • レクサスESとカムリが共通利用するプラットフォームの真実
  • 両車のボディサイズやホイールベースの違いによる乗り心地の変化
  • 静粛性や内装の質感など、価格差を生むプレミアム要素の詳細
  • ESとカムリの運転感覚や価格帯の明確な比較

レクサスESとカムリはプラットフォームが同じなのか

ESvsCamry
インデックス
  • TNGAのGA-Kプラットフォームは共通利用
  • ロング版とショート版のベース設計の違い
  • ボディサイズとホイールベースの明確な差
  • 搭載エンジンとハイブリッドシステムの基本は同じ

TNGAのGA-Kプラットフォームは共通利用

現在のトヨタおよびレクサスの多くの車種に採用されているTNGA(Toyota New Global Architecture)は、クルマの骨格から変えることで基本性能や商品力を大幅に向上させることを目指した新しいクルマづくりの考え方だ。TNGAによって、エンジンやトランスミッション、ハイブリッドシステムといったユニットが刷新され、運動性能と環境性能の向上が図られた。このTNGAの技術的な詳細については、例えばトヨタ・テクニカル・レビューなどの情報源も参照できる。そして、レクサスESとトヨタ・カムリの最大の共通点こそ、このTNGAに基づくGA-Kプラットフォームを共通利用している点にある。このGA-Kプラットフォームの採用は、両車に低重心かつロープロポーションのボディをもたらし、結果として運動性能の向上と魅力的な外観デザインを実現している。TNGAプラットフォームは2015年12月に販売されたプリウスから順次採用が開始されたが、パワートレーンなど全てにTNGAを導入したのは2017年7月に販売開始された新型カムリがパワートレーンなど全てに導入した最初の車種となった。その後に2018年10月に発売されたレクサスESにも採用された。

ロング版とショート版のベース設計の違い

プラットフォームの基本骨格を共通とするESとカムリだが、そのベース設計には大きな違いがある。結論から述べると、レクサスESはGA-Kプラットフォームの「ロング版」を使用しているのに対し、カムリは「ショート版」を採用している。このような設計の差が生まれる理由として、ESがカムリよりも格上のモデルとして開発されている点が挙げられる。ESは北米トヨタの大型セダンであったアバロン(日本未発売モデル)用をベースに開発されており、ESはアバロンのレクサス版として位置づけられるため、ベース車両の時点でカムリよりも大型で上級な車格となっている。したがって、ESは単なる高級仕様のカムリというわけではなく、基幹設計の段階から上級車として扱われているのだ。また、ESは、後席の居住性の高さを重視しており、そのために先代LSの標準車に匹敵する2870mmというロングホイールベースを活かした設計となっている。

ボディサイズとホイールベースの明確な差

ロング版とショート版というベース設計の違いは、具体的なボディサイズとホイールベースの数値に明確な差として表れている。ESは、全長が4975mm、全幅は1865mm、全高は1445mmである。一方、カムリは、全長が4885mmから4910mm、全幅が1840mm、全高はESと同じく1445mmとなる。特に重要な差異はホイールベースで、ESは2870mmであるのに対し、カムリは2825mmと、ESの方が約50mm長く設定されている。

このようにホイールベースが長いと、路面の凹凸を乗り越える際の衝撃のいなしがより穏やかになり、乗り心地の質感が大きく向上する。このため、ESはカムリと比較して、より重厚感があり落ち着いた乗り心地を実現している。このホイールベースの差は、ESが静粛性と乗り心地に重点を置いた上級セダンとして開発された証拠である。

搭載エンジンとハイブリッドシステムの基本は同じ

両車が兄弟車と呼ばれる理由の一つに、搭載されているパワートレーンの基本構造が共通している点が挙げられる。日本仕様のESとカムリは、共に2.5Lのダイナミックフォースエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド(THS II)が採用されており、この点では共通の基本技術を用いている。このTHS IIは、従来のハイブリッド車とは異なり、力強い加速感と自然なフィーリングが特徴だ。ES300hのエンジン型式はA25A-FXS型であり、2487ccの直列4気筒直噴DOHCエンジンを搭載する。

ただし、車両重量の差により、実際の動力性能には違いが生じる。ESがカムリよりも重いため、軽いカムリの方が加速が優れており、加速性能はカムリの方が有利となる。また、一般的に車両重量は燃費効率にも影響を及ぼすため、カムリの方が燃費性能が高い可能性がある。

レクサスESとカムリの大きな違いを徹底比較

ESvsCamry
インデックス
  • 剛性強化と吸音材による静粛性の差
  • 内装素材やインテリアの高級感を比較
  • 乗り心地や加速性能の方向性は違うのか
  • 新車や中古車の価格帯はどれくらい開いているか
  • レクサスブランドの上級車としての設計思想
  • まとめ: レクサスESとカムリ 同じようで異なる魅力

剛性強化と吸音材による静粛性の差

パワートレーンやプラットフォームの基本が共通であっても、ESとカムリの間には価格差を生むための明確な技術的差異が存在する。その中でも、ボディ剛性の強化と静粛性の向上は、ESのプレミアム性を決定づける重要な要素であり、特に静粛性については両車間に「決定的な差」があると評価されている。

ボディ剛性の差

カムリは、軽量で高剛性なボディを実現するため、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤、ホットスタンプ材などの先進的な技術を既に採用している。しかし、ESでは、上級車としての基準を満たすために、さらに踏み込んだ強化策が施されている。具体的には、カムリで用いられた技術に加え、スポット溶接の増量やホットスタンプ材の増量を実施することで、車体剛性のさらなる向上を図っていると考えられている。前述の通りESはアバロンをベースにしているため、剛性を高めるために溶接打点を増やし、構造接着剤も使用している。

静粛性へのこだわり

ESの静粛性向上の取り組みは特に徹底している。ESは従来型でも静粛性にこだわっていたが、新型ESではLSの開発で培われた技術がフィードバックされ、大幅に向上している。ESでは、トヨタ車では使用されない特別な吸音材や遮音材が採用されており、これによって車内での会話明瞭度を含めて、カムリよりも明らかに「一クラス上」の静粛性を実現しているのだ。ESとカムリは走行の基本方向性は近いが、静粛性の違いがこの価格帯の差を正当化する大きな理由となる。

内装素材やインテリアの高級感を比較

ESとカムリの間では、エクステリア以上にインテリアの質感とデザインに大きな差がある。ESのインテリアは、レクサス共通の水平基調のインパネとリモートタッチを採用しており、上品で落ち着いたデザインが特徴的である。

質感と車格感

ESのキャビンには、染料と顔料を用いて仕上げるセミアニリン本革などの厳選された素材がふんだんに使われており、高級車にふさわしい空間を作り出している。一方、カムリにも本革仕様は用意されるが、ESの素材と比べると質感は1ランク落ちる。例えばカムリでは本杢や上級本革といった部材は使用されないが、ESのバージョンLグレードではリアシートに電動リクライニング機能が備わるなど、装備の面でも高級車としての配慮がなされている。カムリも質感が高められたオーソドックスなトヨタレイアウトを採用しているが、ESが提供する高級感と車格感は、塗装品質や使用部材の違いなど、多岐にわたる細部の作り込みによって成立している。

乗り心地や加速性能の方向性は違うのか

プラットフォームやエンジンといった基本コンポーネントが共通であっても、ESとカムリは明確に異なる走りの方向性を持っている。

ESの乗り味:内柔外剛の優しさ

ESのハンドリングは、正確性の高いステアリングや操作に忠実な応答性といった基本素性はカムリと共通するものの、運動性能の高さを声高にアピールせず、どちらかというと「やさしさ」が特徴の乗り味となっている。ESは重厚感があり、乗り心地が穏やかで落ち着いた走行フィーリングを提供する。特に後部座席の乗り心地はESの方が硬さを感じさせない、質の高い仕上がりである。このESの走りは、レクサス共通の「スッキリと奥深い走り」を最もよく表現できていると言える。

カムリの走り:スポーティセダンの軽快さ

一方、カムリはこれまでの無味無臭なイメージから一転し、ハンドリングは「おまえはスポーティセダンかと思わせるような味付け」に仕上がっている。セダンとしての快適性を確保しながらも、走行感覚は明確にスポーティなキャラクターを打ち出している。また、ESと比較して車両重量が軽いカムリの方が加速性能に優れており、ドライバー自身が運転する楽しさを重視するならば、カムリは十分な選択肢になり得る。

新車や中古車の価格帯はどれくらい開いているか

ESとカムリの価格帯の差は、両車の車格やプレミアム性の違いを最も分かりやすく示している。ESは、カムリにはない特別な価値を持つため、価格設定は大幅に高くなっているのだ。

価格の比較と価格差

カムリの新車価格帯は、329万8320円から434万1600円程度で設定されている。対してES300hの新車価格帯は、580万円から698万円となっており、カムリの最上級価格を大幅に超えている。

両車のエントリーグレード(ESベースグレードとカムリX)で比較した場合、新車価格で約250万円の開きがある。さらに上級グレード同士(ESバージョンLとカムリG)を比較すると、価格差は約344万円となり、ESの価格はカムリの約2倍近くに開いていることがわかる。

モデル新車時価格(税込)
レクサスES580万円~728万円
トヨタ カムリ111.9万円~468.2万円

中古車相場も同様にES(239.9万円〜685.8万円)はカムリ(24.9万円〜478.0万円)より高い。この価格差は、ESが提供する内装の質感、静粛性、そしてレクサスブランドの価値が反映された結果である。

レクサスブランドの上級車としての設計思想

レクサスESは、単なるカムリの高級化モデルではなく、レクサスブランドの上級セダンとしての明確な設計思想に基づいて開発されている。ESの車名「ES」は「Executive Sedan」(エグゼクティブセダン)の頭文字から名付けられたものであり、乗り心地や静粛性を重視するエグゼクティブ層をターゲットとしている。

FFセダンとしての立ち位置

レクサスブランドのセダンラインアップの中で、ESは唯一の前輪駆動車(FF)であり、スポーティな走行性能に重きを置いたISとは異なり、徹底して乗り心地と静粛性に重点を置いた設計がなされている。ESは初代からLSと共にレクサスブランドの立ち上げを支えてきた最量販車種の一つであり、その車格はカムリより上位に位置づけられる。

ESが北米アバロンをベースに採用したロングホイールベース は、穏やかな乗り心地と後席の居住性を高めている。また、溶接打点の増加や構造接着剤の使用に加え、トヨタ車では使用されない吸音材をふんだんに使うなど、徹底的な遮音性向上へのこだわりが、レクサスブランドの上級車としての格差を明確にする鍵となっている。

まとめ: レクサスESとカムリ 同じようで異なる魅力

TNGAのGA-Kプラットフォームという共通の基盤を持つレクサスESとトヨタ・カムリだが、両車はその開発思想と提供価値によって明確に差別化されている。ESはGA-Kのロング版をベースに、静粛性と乗り心地を追求したエグゼクティブセダンであり、カムリはショート版をベースに、スポーティな走りを追求したセダンという位置づけである。これらの違いは、内装素材、静粛性、走行フィーリングの細部にまで及んでおり、エントリーグレードの価格で約250万円という大きな差となって表れている。レクサスESが提供するプレミアム性は、単なる装飾ではなく、走行性能の根幹に関わる部分にまで及ぶ徹底した作り込みによって成立しているのだ。

以下の15項目は、この記事で解説した重要なポイントである。

  • レクサスESとトヨタカムリはTNGA GA-Kプラットフォームを共通利用する
  • ESは北米アバロンをベースとしたGA-Kのロング版を使用している
  • カムリはGA-Kのショート版を使用しESより全長とホイールベースが短い
  • ESのホイールベースはカムリより約50mm長い2870mmを確保する
  • ホイールベースの延長はESの乗り心地を穏やかで重厚感あるものにする
  • 日本仕様のESとカムリは2.5Lハイブリッドシステムを共通で搭載する
  • 車両重量が軽いためカムリの方が加速性能および燃費効率が有利となる
  • ESはLS開発技術のフィードバックや専用吸音材で静粛性を大幅に高める
  • ESの静粛性はカムリよりも「一クラス上」であり会話明瞭度が高い
  • ESのボディ剛性はスポット溶接増量や構造接着剤追加によりカムリより高い
  • ESの内装はセミアニリン本革など厳選素材で高級感が明確に異なる
  • カムリのハンドリングはスポーティセダンのような味付けが特徴である
  • ESの乗り味は運動性能を押し出さない「やさしさ」が特徴となる
  • ESのエントリー価格はカムリより約250万円高く上級車として設計される
  • ESはFFセダンとして乗り心地と静粛性を徹底追求したエグゼクティブセダンである
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