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トヨタ 2000GTの伝説と価格。今も輝く理由とは

トヨタ 2000GTの伝説と価格。今も輝く理由とは スポーツ
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こんにちは!トヨタ車をここよなく愛する「トヨリスト」運営者のトヨタロウです。

トヨタ 2000GTと聞くと、流れるような美しいフォルムや、数々の伝説的なエピソードが思い浮かびますよね。私もその魅力にどっぷりハマっている一人です。でも、いざ詳しく知ろうとすると、「実際の価格はいくらなの?」「中古で今も買えるのかな?」「前期と後期の違いって何?」あるいは「ロッキーオート製のレプリカの評判はどうなんだろう?」なんて、次から次へと疑問が湧いてくるかなと思います。

ボンドカーとしての華々しい活躍や、ヤマハとの共同開発で生まれた高性能エンジン、伝説のコンストラクター、キャロル・シェルビーが手掛けたレース仕様車の伝説、そして今やオークションで3億円を超える驚きの価格まで、その魅力は本当に尽きませんよね。また、実際に所有するとなると、気になるのは維持費や、メーカー公式のGRヘリテージパーツによる部品供給の現状ではないでしょうか。

この記事では、そんなトヨタ 2000GTの気になるポイントを、輝かしい歴史から現代における所有事情まで、一台のクルマ好きとして分かりやすくまとめてみました。最後まで読んでいただければ、2000GTが半世紀以上経った今も、なぜこれほどまでに人々を惹きつけてやまないのか、その理由がきっと深くご理解いただけるはずです。

  • 日本が世界に誇る名車の誕生秘話と歴史
  • オークションを騒がせる驚きの価格と現在の中古相場
  • 現実的な選択肢?精巧なレプリカとメーカー純正部品の現状
  • 所有する上でのリアルな維持費や注意点
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伝説の名車トヨタ 2000GTの価値

まずは、トヨタ 2000GTがなぜ「伝説」と呼ばれるようになったのか、その歴史的背景や技術的な凄さ、そして文化的なアイコンとなったエピソードを紐解いていきましょう。単なる旧車という言葉では片付けられない、特別な価値がここにあります。

日本初のスーパーカー、その歴史

トヨタ 2000GTがこの世に生を受けた1960年代半ば、日本の自動車産業は高度経済成長の波に乗りつつも、まだ世界的には「発展途上」と見られていました。当時の日本車は、欧米のメーカーのデザインや技術を参考にしながら、実用性と経済性を追求したモデルが中心。「安くて壊れないけれど、退屈なクルマ」というのが、残念ながら海外での一般的な評価だったんですね。

そんな時代に、トヨタは大きな野望を抱いていました。クラウンやコロナといった実用車で国内市場のトップに君臨していましたが、その地位に安住することなく、世界に向けて「TOYOTA」というブランドの技術力と先進性をアピールする必要性を感じていたのです。そのための切り札として計画されたのが、社内コード「280A」と呼ばれる一台の高性能スポーツカー、後のトヨタ 2000GTでした。

この壮大なプロジェクトの実現には、運命的な出会いが不可欠でした。それが、ヤマハ発動機との提携です。実はヤマハは当初、日産自動車とスポーツカー(A550X)を共同開発していましたが、残念ながらプロジェクトは中止に。しかし、そこで培われた高性能エンジンのノウハウや試作車を、ヤマハはトヨタに持ち込んだのです。まさに歴史の妙ですね。

トヨタ社内のデザイナー、野崎喩(のざき さとる)氏が手掛けた流麗なロングノーズ・ショートデッキのスタイリングに、ヤマハが持つエンジンチューニング技術、そして高級ピアノ製造で培われた木工加工技術が見事に融合。生産もトヨタの工場ではなく、ヤマハ発動機の熟練工によるハンドメイドで行われました。1967年から1970年までのわずか3年余りで生産されたのは、試作車を含めてもわずか351台。この希少性が、後の伝説をさらに確固たるものにしていきます。

当時の価格は現代の高級車以上?

1967年当時の新車価格は238万円。これは、当時の大卒初任給が約2万6千円だったことを考えると、なんと給料の約100倍! クラウンが2台買えてしまうほどの超高級車でした。現在の価値に換算すると、2,000万円以上とも言われ、まさに選ばれし者だけが手にできる「夢のクルマ」だったことがわかります。

トヨタ 2000GTは、単に速いクルマというだけでなく、「日本のモノづくりは世界一なんだ」という誇りと情熱を乗せて走り出した、日本自動車産業の金字塔なんです。

ヤマハ製エンジンの驚異的な性能

トヨタ 2000GTの心臓部、それこそがこのクルマを伝説たらしめた最大の要因と言っても過言ではないでしょう。搭載されたのは、ヤマハ発動機の手によって特別なチューニングが施された、水冷直列6気筒DOHCエンジン「3M型」です。

ベースとなったのは、当時のクラウンに搭載されていた頑丈なM型エンジンのブロック。これに、ヤマハがレースで培った技術の粋を集めて開発したDOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)ヘッドを組み合わせたのです。DOHC自体が当時の市販車では極めて珍しく、まさにレーシングエンジン直系の技術でした。

特筆すべきは、そのスペックです。

トヨタ 2000GT (MF10) エンジン主要諸元

エンジン形式 3M型 水冷直列6気筒 DOHC
総排気量 1,988 cc
ボア × ストローク 75.0 mm × 75.0 mm(スクエアストローク)
最高出力 150 ps / 6,600 rpm
最大トルク 18.0 kgm / 5,000 rpm
燃料供給装置 ミクニ・ソレックス製 40PHHキャブレター × 3

最高出力150馬力は、リッターあたり75馬力を達成。これは、当時のポルシェ911(130馬力)やジャガーEタイプ(4.2Lモデル)に匹敵、あるいは凌駕するほどの高性能であり、世界中の自動車メーカーに衝撃を与えました。高回転までスムーズに吹け上がるエンジンフィールと、3連装されたソレックスキャブレターが奏でる官能的な吸気音は、まさに芸術の域。ドライバーは、聴覚と全身でそのパフォーマンスを体感できたのです。

そして、そのパワーを受け止めるシャシーもまた、革新的な技術の塊でした。ロータス・エランから影響を受けたと言われる「X型バックボーンフレーム」は、非常に剛性が高く、軽量。このフレーム構造によって、全高わずか1,160mmという驚異的に低いスタイリングと低重心を実現できたのです。さらに、サスペンションは日本車初となる4輪ダブルウィッシュボーン式独立懸架、ブレーキも同じく日本初の4輪ディスクブレーキを採用。まさに「走る・曲がる・止まる」のすべてにおいて、当時の日本の技術水準を10年は先取りしていたと言えるでしょう。

前期と後期の違い、見分け方を解説

わずか3年強という短い生産期間でありながら、トヨタ 2000GTにはいくつかのバリエーションが存在します。特にコレクター市場で重要視されるのが、1969年のマイナーチェンジを境にした「前期型」と「後期型」の違いです。マニアックな世界ですが、知っておくと2000GTを見る目が一段と深まりますよ。

前期型(1967年5月〜1969年)

最もピュアなオリジナルデザインを持つとされるのが前期型です。外観上の最大の特徴は、フロントグリル横にあるフォグランプの大きさ。直径が大きく、存在感のあるデザインが前期型の証です。フロントウインカーもクリアとオレンジのコンビネーションレンズが採用されています。内装に目を向けると、インパネにはヤマハの楽器製造技術が惜しみなく投入された、美しいローズウッドのウッドパネルが輝きます。この工芸品のような仕上がりは、前期型ならではの魅力ですね。

後期型(1969年8月〜1970年)

後期型は、主に安全性や快適性の向上のために各部が改良されています。外観では、前期型で大きかったフォグランプが小型化され、形状も角張ったデザインに変更。フロントグリルと一体感のある、よりシャープな印象になりました。これは主に北米の安全基準に対応するための変更だったと言われています。内装のウッドパネルは、ローズウッドからウォールナット材に変更され、少し落ち着いた雰囲気に。また、ヘッドレストが追加されたり、オートマチック(AT)仕様が設定されたのも後期型からです。

幻のモデル「MF12」の存在

実は、もう一つ「幻」と呼ばれるモデルが存在します。それがMF12です。これは北米市場の「もっと扱いやすく、安価なモデルを」という要望に応えるために試作されたモデルで、エンジンを高価で繊細な3M型(DOHC)から、クラウン用の2M-B型(SOHC 2.3L)に換装しています。パワーは140馬力と少しダウンしますが、排気量アップでトルクが増し、街中では乗りやすかったとか。生産台数はわずか9台とも言われ、市場に出ることはまずない、まさに幻の2000GTです。

どちらのモデルも魅力的ですが、デザインの原型を愛するファンからは前期型が、少しでも現代的な快適性を求める声からは後期型が支持される傾向にあるようです。もし実車を見る機会があれば、ぜひフォグランプ周りに注目してみてください。

007ボンドカー、幻のオープン仕様

トヨタ 2000GTが、単なる日本の高性能車という枠を超え、世界的なアイコンへと飛躍するきっかけとなったのが、1967年に公開された映画『007は二度死ぬ(You Only Live Twice)』への登場です。

この映画は日本が舞台ということもあり、ボンドカーとして白羽の矢が立ったのが、デビュー直後のトヨタ 2000GTでした。劇中では、ジェームズ・ボンド(演:ショーン・コネリー)自身がハンドルを握るシーンは少ないものの、日本の諜報機関のエージェント「アキ」(演:若林映子)が颯爽と運転し、敵からボンドを救出するシーンは、世界中の観客に鮮烈な印象を残しました。

しかし、映画を観た多くの人が抱いた一つの疑問。それは「あの屋根のないオープンモデルは、いつ発売されるんだ?」ということでした。市販された2000GTはクーペボディのみ。それもそのはず、劇中に登場したオープン仕様は、この映画のためだけに2台だけ特別に製作された、世界に存在しないはずのモデルだったのです。

その背景には、面白いエピソードがあります。主役のショーン・コネリー氏は身長が188cmと非常に背が高く、全高がわずか1,160mmのクーペボディでは、車内が窮屈すぎてカメラアングルに制約が出てしまうことが判明。そこで撮影スタッフがトヨタに相談したところ、トヨタは「ならば」と、なんとわずか2週間という驚異的なスピードでクーペの屋根を切り取り、オープン仕様を仕立て上げたのです。

これは単に屋根を外しただけでなく、オープン化によるボディ剛性の低下を防ぎ、かつリア周りのデザインが破綻しないよう再設計された、まさにプロの仕事。この「幻のボンドカー」の存在が、トヨタ 2000GTのミステリアスな魅力をさらに高め、その名を世界史に刻み込む決定的な要因となったのは間違いありません。

シェルビー仕様が記録したレースの伝説

トヨタ 2000GTは、その美しいスタイリングだけでなく、サーキットという過酷な舞台でもその実力を証明しています。その伝説は、市販される前から始まっていました。

谷田部スピードトライアルでの偉業

1966年10月、市販化を目前に控えた2000GTのプロトタイプは、茨城県にあった谷田部テストコースで、高速耐久テストに挑みました。折しも台風が接近し、豪雨が降りしきる最悪のコンディションの中、黄色と緑に塗り分けられたマシンは走り続けたのです。そして72時間後、平均時速206.18km/hという驚異的な記録を樹立。この挑戦で、3つの世界新記録と13の国際新記録を打ち立てました。これは、当時ポルシェが持っていた記録を塗り替えるものであり、2000GTの持つ圧倒的な性能と信頼性を世界に示す、強烈なデモンストレーションとなりました。

キャロル・シェルビーとの邂逅

そして、2000GTのレース伝説を語る上で絶対に外せないのが、アメリカのSCCA(Sports Car Club of America)レースへの参戦です。トヨタは、北米市場でのブランドイメージ向上のため、当時すでに伝説的なコンストラクターであったキャロル・シェルビーにレース活動を委託するという、大胆な決断を下します。

キャロル・シェルビーといえば、ACコブラを生み出し、フォードGT40を率いてル・マン24時間レースでフェラーリを破った、まさにレース界の巨匠。その彼が日本の無名なスポーツカーを手掛けるというニュースは、アメリカのレース界を驚かせました。

1968年シーズン、シェルビーの手によってエンジンは約200馬力までチューンアップされ、サスペンションも徹底的に煮詰められた3台の2000GTがSCCAプロダクションCクラスに参戦。ドライバーにはスクーター・パトリックやデイブ・ジョーダンといった実力派を起用し、シーズンを通して強敵ポルシェ911やトライアンフTR250と激しいチャンピオン争いを繰り広げました。最終的にタイトル獲得には至りませんでしたが、表彰台を何度も獲得する活躍は、アメリカのレースファンに「TOYOTA」の技術力の高さを強烈に印象付けたのです。

このSCCAでの挑戦は、後のトヨタのモータースポーツ活動の礎となり、そしてこの時にシェルビーが手掛けたレーシングカーそのものが、半世紀以上の時を経て、オークションで歴史を塗り替える主役となるのでした。

トヨタ 2000GTの価格と現代の姿

さて、ここからは皆さんが最も気になっているであろう「お金」の話。伝説的な価値を持つ2000GTは、今一体いくらで取引されているのか。そして、もし所有するとしたらどんな選択肢があるのか、現代の視点から見ていきましょう。

オークションで3億円超え、驚きの価格

「トヨタ 2000GTは高い」というイメージは多くの方がお持ちだと思いますが、その価格は近年、私たちの想像をはるかに超えるレベルにまで達しています。もはや単なる「中古車」ではなく、世界的な「美術品」や「資産」として取引されているのが現状です。

その価値が劇的に上昇するきっかけとなったのが、2013年の出来事でした。アメリカのRMサザビーズのオークションに出品された一台の2000GTが、115万5000ドル(当時のレートで約1億2000万円)で落札されたのです。これは、日本の自動車として初めて、公のオークションで100万ドルの大台を突破した歴史的な瞬間でした。

そして、その記録を大きく塗り替える衝撃的なニュースが飛び込んできたのが2022年3月。フロリダ州アメリアアイランドで開催されたグッディング&カンパニーのオークションにおいて、一台の2000GTが253万5000ドル(当時のレートで約3億円)という、信じられない価格で落札されたのです。

この個体がなぜそこまで高値になったのか?それには特別な理由があります。出品されたのはシャシーナンバー「MF10-10001」。これは、2000GTの量産第一号車であると同時に、前述したキャロル・シェルビーがSCCAレース参戦のために手掛けた3台のうちの1台という、二重にも三重にも特別なヒストリーを持つ、まさに至宝の一台でした。

3億円が示す、日本車ヴィンテージ市場の転換点

この約3億円という価格は、同じオークションに出品されていたフェラーリF40といった超人気スーパーカーをも上回るものでした。これは、トヨタ 2000GTが、もはや「日本の旧車」というカテゴリーではなく、世界のトップコレクターが追い求める、真のコレクターズアイテムとして完全に認知されたことを意味します。この出来事は、他の国産旧車、例えば「ハコスカGT-R」などの評価にも大きな影響を与え、日本のヴィンテージカー市場全体が新たなステージに入ったことを象徴する出来事だったと言えるでしょう。

現在の中古車相場と購入方法

シェルビー仕様のような特別な個体でなくとも、トヨタ 2000GTの購入は極めてハードルが高いのが現実です。では、現在の一般的な中古車相場はどのようになっているのでしょうか。

市場に出回る台数が極端に少ないため、明確な相場というものは存在しませんが、国内外の専門店やオークションの動向を見ると、コンディションの良い個体であればおおむね8,000万円から1億5,000万円程度がひとつの目安となりそうです。もちろん、フルレストア済みで来歴がはっきりしている個体はそれ以上、逆に修復歴があったり、エンジンが載せ替えられている場合はそれ以下になるなど、価格は個体の状態によって大きく変動します。

購入の際に注意すべきポイント

もし本気で購入を検討する場合、通常のクルマ選びとは全く異なる視点が必要です。

  • 情報入手: 一般的な中古車情報サイトに掲載されることはまずありません。「ヴィンテージカーヨシノ」や「ビンゴスポーツ」といった、2000GTの取り扱い実績が豊富なハイエンド専門店とのコネクションを築き、情報が入るのを待つのが唯一の方法と言えるでしょう。
  • 個体鑑定: 高額な取引だけに、専門家による徹底的な鑑定が不可欠です。エンジンやシャシー、トランスミッションの番号が製造時のものと一致しているか(マッチングナンバー)、サビやすいX型バックボーンフレームの状態はどうか、事故歴はないかなど、チェック項目は多岐にわたります。特に、純正のマグネシウム製ホイールは腐食しやすいため、重要なチェックポイントです。

安易な個人売買は絶対に避けるべき

仮に相場より安い話があったとしても、安易に飛びつくのは非常に危険です。後から重大な欠陥が見つかるケースも少なくありません。購入の際は、必ずこの分野で高い知見と実績を持つ、信頼できる専門店を介することをお勧めします。

まさに、資金力だけでなく、情報力と専門知識、そして何より「縁」がなければ手にすることができない、究極の一台と言えるでしょう。

ロッキーオート製レプリカの評判

本物のトヨタ 2000GTを手に入れることが、あまりにも非現実的な夢であることは間違いありません。しかし、その美しいスタイルを現代の技術で、しかも現実的な価格で楽しむ方法があります。それが、愛知県岡崎市に本拠を構える名店「ロッキーオート」が製造・販売する精巧なレプリカ、「Rocky 3000GT」です。

「レプリカ」と聞くと、既存のクルマにボディキットを被せただけ、といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、Rocky 3000GTは全く次元が異なります。オリジナルの2000GTから3Dスキャニングで正確なボディラインを写し取り、なんと専用設計のフレームを一から製作。国土交通省から正式な認可を受けた「新型車」として登録される、非常に手の込んだ一台なのです。

最大の魅力は、その心臓部と快適性です。

現代の名機「2JZ」エンジンを搭載

エンジンには、A80型スープラなどでおなじみの、トヨタが誇る直列6気筒の名機「2JZ-GE」エンジン(3.0Lノンターボ)を搭載。オリジナルの3M型エンジンは非常にデリケートで維持が大変ですが、2JZエンジンは圧倒的な耐久性と信頼性を誇り、部品供給の心配もほとんどありません。最高出力は約220馬力と、オリジナル(150馬力)を大幅に上回り、現代の交通事情でも余裕のある走りを楽しめます。

日常使いを可能にする快適装備

さらに驚くべきは、その装備です。オートエアコン、油圧式パワーステアリング、パワーウィンドウ、チルトステアリングといった、現代のクルマでは当たり前の快適装備がすべて備わっています。オリジナルの2000GTで真夏の渋滞にハマることを想像すると…少し怖いですが、Rocky 3000GTなら、そんな心配は無用。見た目はクラシックなスーパーカーでも、気軽に日常の足として使えるのです。

究極のエコカー?ハイブリッドモデルも存在

ロッキーオートの挑戦はそれだけにとどまりません。なんと、2000GTのボディにトヨタ・プリウスなどに使われるハイブリッドシステム「THS-II」を搭載した「RHV(ロッキーハイブリッドビークル)」までラインナップしています。クラシックカーの永遠の課題である環境性能をクリアした、まさに未来志向の一台ですね。

価格は仕様によって変動しますが、おおよそ2,000万円から3,000万円程度。もちろん高価ではありますが、本物の価格や維持費を考えれば、夢の2000GTのスタイルを気兼ねなく楽しめる選択肢として、世界中の富裕層や愛好家から絶大な支持を集めているのも納得です。

GRヘリテージパーツによる部品供給

オリジナルのトヨタ 2000GTを所有するオーナーにとって、長年にわたる最大の悩み、それは「部品の欠品」でした。特に走行に不可欠な機能部品が壊れてしまうと、修理ができず、ガレージに眠らせておくしかなくなってしまいます。そんなオーナーたちにとって、まさに救世主となったのが、トヨタ自身が始めた素晴らしい取り組みです。

それが、「GRヘリテージパーツ」プロジェクト。これは、生産終了となってしまった歴史的なスポーツカーの部品を、メーカー自らが復刻・再販売するという画期的なプログラムです。A70/A80型スープラと共に、その栄えある第一弾モデルとして選ばれたのが、このトヨタ 2000GTでした。

現在、供給されている主な部品は以下の通りです。(出典:TOYOTA GAZOO Racing 公式サイト

  • トランスミッション関連: 摩耗しやすい1速から3速までの各種ギア、シフト操作をスムーズにするシンクロナイザーハブ&スリーブ、オーバーホールに必要なガスケットキットなど。
  • デファレンシャル関連: 最終減速比を決めるファイナルギアキットや、LSD(リミテッド・スリップ・デフ)の補修部品など。
  • その他: クラッチディスクやブレーキホースといった消耗品。

これらの部品は、全国のトヨタ販売店やGR Garageを通じて注文することができます。さらに、オンラインの「TOYOTA GAZOO Racing 楽天市場店」でも取り扱いがあり、一般のユーザーが価格や在庫を確認できるようになったのは、本当に画期的なことだと思います。これにより、これまで不動だった個体が再び公道を走れるようになる可能性が大きく開かれました。

すべての部品が揃うわけではない

ただし、注意点もあります。現在供給されているのは、あくまで走行に不可欠な機能部品が中心。ボンネットやドアといった外装パネル、ガラス類、ライト類、そして美しいウッドパネルなどの内装パーツは復刻されていません。これらの部品が破損した場合は、板金職人によるワンオフ製作や、社外のリプロダクションパーツに頼る必要があります。メーカーの支援は心強いですが、オリジナルコンディションを維持する難しさが完全になくなったわけではない、ということですね。

維持費はどのくらいかかるのか

幸運にもトヨタ 2000GTを手に入れることができたとして、次に待ち受けるのが「維持」という、長く険しい道のりです。その費用は、一般的なクルマとは比較にならず、まさに「走る文化財」を維持するためのコストと考える必要があります。

まず、税金や保険といった固定費。自動車税は製造から13年以上経過したガソリン車に適用される重課措置の対象となります。そして、最も頭が痛いのが車両保険です。時価額が非常に高額なため、通常の保険会社では引き受けを断られるケースがほとんど。加入できたとしても、保険料は年間100万円を超えることも珍しくありません。

予測不能なメンテナンス費用

しかし、それ以上に覚悟しなければならないのが、不定期に発生するメンテナンスや修理の費用です。

  • 定期メンテナンス: エンジンオイルは高品質なものを使い、短いサイクルでの交換が推奨されます。また、3連キャブレターは定期的な同調調整が不可欠で、これを完璧にこなせるメカニックは現代では非常に貴重な存在です。
  • 消耗部品: GRヘリテージパーツで供給される部品は増えましたが、それ以外の部分は依然として入手困難です。例えば、電装系のトラブルが発生した場合、原因究明と部品調達(あるいはワンオフ製作)に莫大な時間と費用がかかる可能性があります。
  • 保管環境: 美しい塗装や繊細なウッドパネルを維持するためには、温度と湿度が管理されたガレージでの保管が必須です。これも立派な維持費の一部と言えるでしょう。

具体的な金額を挙げるのは難しいですが、専門家の間では「何もなくても年間100万円、何かあれば青天井」と言われることもあります。大きなトラブルに備え、常に数百万円単位の予備費を用意しておくくらいの心構えが必要かもしれません。

維持管理に関する最終的な判断は専門家へ

この記事で紹介した維持費に関する情報は、あくまで一般的な目安です。実際の費用は、車両のコンディションや走行距離、保管状況によって大きく異なります。購入や維持管理計画を立てる際は、必ず2000GTの取り扱い経験が豊富な、信頼できる専門工場やアドバイザーに相談してください。

まさに、所有するには車両価格以上の情熱と覚悟、そして経済力が問われるクルマなのです。

色褪せぬ魅力、トヨタ 2000GT

ここまで、トヨタ 2000GTが紡いできた輝かしい歴史から、オークションを賑わす驚きの価格、そして所有と維持の現実まで、様々な角度から掘り下げてきました。

最高出力や最高速度といったスペックシート上の数字だけを見れば、現代のGRスープラやGR86といったスポーツカーには遠く及びません。しかし、このクルマの価値は、決してそんな単純な物差しで測れるものではないんですよね。

それは、「日本の自動車産業が、初めて本気で世界に挑んだ」という開発者たちの熱い情熱の物語であり、ヤマハ発動機の職人たちが魂を込めた工芸品のようなディテールであり、そして、半世紀以上の時を経てもなお、全く色褪せることのない普遍的で美しいデザインに宿っています。

オークション価格が3億円に達したという事実は、単なる投機的な現象ではなく、トヨタ 2000GTが持つ歴史的・文化的な価値が、フェラーリやポルシェの伝説的なモデルと完全に同等のレベルにあると、世界が認めた証拠なのだと私は思います。

オリジナルの実車を手に入れることは、多くの人にとって叶わぬ夢かもしれません。しかし、ロッキーオートによる精巧なレプリカの存在や、トヨタ自身によるGRヘリテージパーツでの維持支援は、この素晴らしい伝説を単なる過去の遺物とせず、未来へと語り継いでいくための、非常に重要な文化的エコシステムとして機能しています。

これからも、トヨタ 2000GTは日本の、いや世界の自動車史にさんぜんと輝く宝として、多くのクルマ好きに夢と憧れを与え続けてくれることでしょう。

 

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