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ジャパンタクシーを自家用で所有する完全ガイド

ジャパンタクシー 自家用 ミニバン

「ジャパンタクシーを自家用車として使いたい」と考えたことはないだろうか。街でよく見かけるあの特徴的なデザインと広い室内空間に、マイカーとしての魅力を感じる人は少なくない。しかし、実際に個人で購入し、維持することは可能なのだろうか。この記事では、ジャパンタクシーのグレードや新車・中古車価格、個人購入時の注意点から、燃料となるLPGスタンドの問題、さらには運転のしやすさやドライバー目線での不評なデメリットまで、自家用としての所有を多角的に分析する。ユーザーレビューに見るリアルな声も交え、その実態に迫っていく。

この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができる。

この記事のポイント
  • ジャパンタクシーのグレード構成と新車・中古車の価格相場
  • 個人が自家用として購入する際の具体的な注意点と手続き
  • LPG燃料の特性と、それに伴う維持費や税金の詳細
  • ドライバー目線で語られる運転のしにくさや実用上のデメリット
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ジャパンタクシーを自家用として購入する方法

ジャパンタクシー 自家用
インデックス
  • ジャパンタクシーのグレードと新車価格
  • ジャパンタクシーの中古車相場と探し方
  • 個人購入時の注意点と販売店の対応
  • 燃料となるLPGスタンドの探し方と課題
  • LPG車の維持費と税金の優遇措置

ジャパンタクシーのグレードと新車価格

トヨタが2017年10月に発売した次世代タクシー車両、JPN TAXI(ジャパンタクシー)は、個人でも購入可能である。グレードは、標準モデルの「和(なごみ)」と上級グレードの「匠(たくみ)」の2種類が設定されている。

グレード構成と価格

ジャパンタクシーの新車価格は以下の通りだ。

グレード駆動方式乗車定員WLTCモード燃費メーカー希望小売価格(税込)
匠(たくみ)2WD5人16.5km/L3,680,600円
和(なごみ)2WD5人16.5km/L3,455,100円

価格差は約22万円ほどあり、その差は主に内外装の装備にある。上級グレードの「匠」は、LEDヘッドライトやボディ同色バンパー、メッキ加飾されたドアハンドルやフェンダーミラーカバーなどが装備され、外観がより上質になる。内装においても、「匠」にはリアシートヒーターや天井サーキュレーター、遮音性ガラスなどが標準装備されており、後席の快適性が大きく向上している。これらの快適装備を考慮すると、自家用として購入するならば上級グレードの「匠」がおすすめと言えるだろう。

車両の基本スペック

ジャパンタクシーは、小型ミニバンのシエンタをベースに開発されたワゴン型の車両だ。ボディサイズは全長4,400mm、全幅1,695mm、全高1,750mmと5ナンバー枠に収まっており、日本の道路事情でも扱いやすいサイズ感である。パワートレインは、1.5LのLPGエンジンとトヨタのハイブリッドシステム「THS II」を組み合わせたLPGハイブリッドを採用している。システム最高出力は100ps(74ps/54kWのエンジン出力と61ps/45kWのモーター出力)で、JC08モード燃費は19.4km/Lと発表されている。加速性能を追求する車ではないものの、タクシーとしての耐久性や経済性を重視した設計がなされている。

ジャパンタクシーの中古車相場と探し方

ジャパンタクシーを自家用として検討する際、新車だけでなく中古車も選択肢となる。タクシーとしての役目を終えた車両が市場に出回ることがあり、価格を抑えて購入できる可能性がある。

中古車市場におけるジャパンタクシーの価格帯は、カーセンサーの情報によると約238万円から335万円、平均価格は約286.5万円となっている。グーネットでも同様に238万円から335万円程度の車両が掲載されており、年式や走行距離、グレードによって価格は変動する。例えば、2020年式で走行距離9.8万kmの「匠」グレードが車両本体価格238万円で販売されている例がある。一方で、2025年式で走行距離がわずか9kmの「和」グレードが335万円で出ているなど、新車に近いコンディションの車両も見受けられる。

中古車を探す際は、カーセンサーやグーネットといった大手中古車情報サイトの利用が基本となる。これらのサイトでは、全国の在庫を検索でき、年式、走行距離、価格、グレードなどの条件で絞り込むことが可能だ。ただし、ジャパンタクシーの中古車掲載台数は非常に少なく、カーセンサーで3台、グーネットで3台と、選択肢は限られているのが現状だ

中古車購入時の注意点

中古のジャパンタクシーを購入する際には、いくつかの点に注意が必要だ。 まず、タクシーとして使用されていた車両は、年式の割に走行距離が極端に長い場合が多い。耐久性が高い設計とはいえ、過走行による各部の消耗は避けられないため、整備記録などを確認し、車両の状態を慎重に見極める必要がある。 また、LPGタンクには法令で定められた充てん期限があり、期限を過ぎるとタンクの交換が必要になる。この交換には工賃込みで十数万円程度の費用がかかるため、購入前にタンクの検査期限を確認しておくことが不可欠だ。さらに、初期モデルは後席スライドドアの開閉速度が遅いという指摘があり、改良後のモデルでは改善されているため、中古車を検討する際はその点もチェックポイントとなる。

個人購入時の注意点と販売店の対応

ジャパンタクシーはタクシー専用車というイメージが強いが、一般ユーザーが個人で購入することは可能である。全国のトヨタ店およびトヨペット店で取り扱っており、誰でも商談を進めることができる。しかし、その購入プロセスは一般的な乗用車とは異なり、いくつかの注意点と販売店側の慎重な確認事項が存在する。

販売店が確認する重要事項

ディーラー側が個人への販売で特に重要視するのは、「契約後に問題なく車両を登録・納車でき、正常に使用できる環境が整っているか」という点だ。具体的には、以下の項目が慎重に確認される。

  1. 車庫証明の取得: まず、車両を保管するための場所が確保できているかどうかが問われる。これはナンバー取得に必須の条件である。
  2. LPGスタンドの存在: 最大の障壁となるのが燃料の供給問題だ。自宅や主たる使用場所の近隣に、個人向けにLPGを販売してくれるスタンドが存在するかどうかは、販売の可否を左右する極めて重要なポイントとなる。販売店によっては、これが確認できない場合、販売を見送る可能性もある。
  3. 高額車両としての扱い: ジャパンタクシーは上級グレード「匠」で約360万円と、ベースとなったシエンタの最上級グレードより100万円近く高価な車両である。需要が少なく特殊な車両であるため、注文後のキャンセルは販売店にとって大きなリスクとなる。そのため、契約時に車両価格の1~2割程度の頭金を求められることがある。

実際の購入事例と販売状況

トヨタの販売店によると、ジャパンタクシーを個人がマイカーとして購入するケースは「ごく少数」であり、自家用のマイクロバス「コースター」と同程度の稀な事例とされている。購入者としては、タクシードライバーを定年退職した人が「乗り慣れた車だから」という理由で購入するケースや、そのユニークなスタイルを活かしてショーカーとしてカスタムするために購入する例などが報告されている。 不動産会社が顧客の送迎用に社用車として導入した例も見られるが、やはり燃料問題がネックとなり、広く普及するには至っていないのが実情だ。

このように、ジャパンタクシーの個人購入は制度上可能ではあるものの、燃料インフラの問題という非常に高いハードルが存在する。この条件をクリアできるかどうかが、購入実現の鍵となる。

燃料となるLPGスタンドの探し方と課題

ジャパンタクシーを自家用で所有する上で最大の課題は、燃料がLPG(液化石油ガス)であることだ。一般的なガソリン車やディーゼル車と異なり、LPGを充填できるスタンドは非常に限られており、これが個人所有の大きな障壁となっている。

LPGスタンドの現状

LPGスタンド(オートガススタンド)の数は全国で約1,400箇所しかなく、約28,000店舗あるガソリンスタンドと比較すると20分の1以下という少なさである。さらに深刻なのは、全てのLPGスタンドが個人客に対応しているわけではないという点だ。多くはタクシー会社や運送会社との法人契約を専門としており、個人向けに販売しているスタンドは「ごく少数」というのが実態だ。コロナ禍の影響で廃業するスタンドも増えており、インフラはますます縮小傾向にある。

LPGスタンドの探し方

自家用としてジャパンタクシーの購入を検討する場合、まず自宅周辺や行動範囲内に個人利用可能なLPGスタンドがあるかを確認することが絶対条件となる。探し方としては、インターネット検索が最も手軽だ。全国LPガス協会のウェブサイトなどで地域のスタンド情報を確認できる可能性がある。しかし、ウェブサイトの情報だけでは個人への販売可否が不明な場合も多いため、購入を決める前に必ず最寄りのスタンドへ直接電話などで問い合わせ、個人車両へのLPG充填が可能か、営業時間、定休日などを確認しておく必要がある。遠出をする際にも、ルート上のスタンドを事前に調べておくことが不可欠となるだろう。

LPG燃料のメリットとデメリット

LPG燃料には価格面でのメリットがある。1リットルあたりの価格が80円から90円程度と、レギュラーガソリンと比較して大幅に安価であるため、走行距離が長いほど燃料コストを抑えることができる。 一方で、デメリットも多い。前述のスタンド数の少なさに加え、LPGタンクは荷室スペースを圧迫する。また、法令により6年ごとの検査が義務付けられており、この検査にパスしないとLPGの充填ができなくなる。検査や交換には相応の費用がかかるため、これも維持費として考慮しなければならない。

LPG車の維持費と税金の優遇措置

ジャパンタクシーを自家用として所有する場合、その維持費は一般的なガソリン車とは異なる側面を持つ。特に燃料であるLPGのコストと、税金に関する優遇措置が大きなポイントとなる。

燃料費とランニングコスト

ジャパンタクシーの最大の経済的メリットは、LPGの価格の安さにある。LPGの価格は1リットルあたり80円〜90円程度であり、レギュラーガソリンの価格(140円/L前後と仮定)と比較すると大幅に安い。ジャパンタクシーのカタログ燃費(JC08モード)は19.4km/Lであり、実燃費に関するユーザーレビューでは、営業走行で11km/Lから13km/L程度という報告が見られる。仮に実燃費を12km/L、LPG価格を85円/Lとすると、1km走行あたりの燃料コストは約7.1円となる。これは、実燃費15km/Lのガソリン車がリッター170円のガソリンで走る場合(約11.3円/km)と比較して、ランニングコストを大きく抑えられることを意味する。

税金とエコカー減税

ジャパンタクシーは環境性能に優れた車両として、税制上の優遇措置を受けることができる。この車両は「2020年燃費基準+30%達成車」に該当するため、エコカー減税の対象となり、購入時の自動車重量税が免税となるなどの優遇が適用される。年間の自動車税は排気量が1496ccであるため、34,500円となる。 新車購入時の諸費用としては、税金や保険料、登録料などを含めて20万円から25万円程度が必要となる見込みだ。

メンテナンスコスト

タクシーとしての過酷な使用を想定して開発されているため、ジャパンタクシーは高い耐久性を備えている。メンテナンス性にも配慮されており、例えばバンパーは3分割式で部分的な交換が可能であったり、ヘッドライトやリアコンビネーションランプはアウターレンズのみ交換できるなど、修理費用を安価に抑えるための工夫が施されている。これにより、軽微な損傷であれば修理コストを低く抑えることが可能だ。 ただし、前述の通り、LPGタンクは6年ごとの検査が必要であり、維持費としてこの費用も見込んでおく必要がある。

ジャパンタクシーを自家用で使うメリットとデメリット

ジャパンタクシー 自家用
インデックス
  • 運転しにくいと言われる理由をドライバー目線で解説
  • ユーザーレビューに見る不評なデメリット
  • 広い室内空間と優れた耐久性のメリット
  • 意外と荷物が載らない?積載性の実態
  • ジャパンタクシーを自家用で所有するということ

運転しにくいと言われる理由をドライバー目線で解説

ジャパンタクシーは乗客の快適性を最優先に設計されているため、ドライバーの視点から見ると、運転のしにくさを感じる点がいくつか指摘されている。自家用車として検討する上で、これらの運転感覚に関する特性を理解しておくことは重要である。

車両感覚の掴みにくさ

運転のしにくさを感じる最大の要因として、前方、特にボディ左前端の車両感覚が掴みにくいという点が挙げられる。その理由は複数ある。まず、ダッシュボードの位置が高く、ドライバーの着座位置が相対的に低く感じられるため、圧迫感があり視界がスッキリしない。また、ボンネット自体も厚みがあるため、前方の見切りが悪くなる。これに加え、ナビモニターやタクシー用の表示灯などを設置すると、左前方の視界がさらに遮られ、死角が増大する。座高の低いドライバーは、シートリフターを最大限に上げても見切りが悪いと感じることがあるようだ。

小回りの利きにくさ

従来のタクシー車両(クラウンコンフォートなど)が後輪駆動(FR)であったのに対し、ジャパンタクシーは前輪駆動(FF)である。FF車は構造上、ハンドルの切れ角がFR車に比べて小さくなる傾向があり、その結果、最小回転半径が大きくなり小回りが利きにくい。狭い道でのUターンや切り返しなど、タクシー業務で頻繁に発生する状況では、この特性が運転のしにくさにつながることがある。ただし、これはあくまで従来のFRセダン型タクシーとの比較であり、現代の多くの乗用車がFFであるため、普段からFF車に乗り慣れているドライバーにとっては、それほど気にならない可能性もある。

フェンダーミラーの死角

ジャパンタクシーは、現代の乗用車では珍しいフェンダーミラーを標準装備している。フェンダーミラーはドアミラーよりも視線移動が少なく済むという利点がある一方で、特に合流時など斜め後方を確認する際に死角が大きくなりやすいという欠点がある。ミラーが車体の遠い位置にあるため、ドアミラーに比べて視角が狭く、夜間の駐車時にも見にくさを感じることがあるという。安全のためには、ミラーだけに頼らず、振り向いての直接目視確認がより一層重要になる。

ユーザーレビューに見る不評なデメリット

ジャパンタクシーは乗客からの評価が高い一方で、実際に日常的に運転するドライバーや個人所有者からは、数々の不満点やデメリットが指摘されている。これらの「生の声」は、カタログスペックだけではわからない実用上の課題を浮き彫りにする。

ドライバー空間の快適性に関する不満

最も多く聞かれる不満の一つが、運転席周りの狭さだ。高い位置にあるダッシュボードや囲まれ感のあるインパネデザインが圧迫感を生み、視覚的にも物理的にも狭く感じられる。身長が高いドライバーは膝をぶつけやすく、足元のスペースも広いとは言えない。また、ステアリングの位置が低く感じられ、チルト機能で調整しても圧迫感が拭えないという意見もある。 さらに、シートが約160度までしかリクライニングしないため、車内での仮眠や長時間の休憩が取りづらいという点は、長距離を運転するドライバーにとって深刻なデメリットだ。エアコンの吹き出し口が運転席側は右の小さいもの一つだけだったり、操作パネルが膝のあたりにあって操作しにくかったりする点も、快適性を損なう要因として挙げられている。

実用性に関する構造的な問題

実用面でのデメリットも多い。後席右側の窓が「はめ殺し」で開閉できない構造は、多くのドライバーから不満の声が上がっている。これにより、ドライブスルー利用時に客がドアを開けなければならなかったり、車酔いした乗客が窓から顔を出せなかったり、車内換気が非効率になったりと、様々な不便が生じている。 ハザードスイッチがステアリング右側に配置されている点も、一見便利そうだが、ハンドルを切りながら押したい場合に視線移動が必要となり、特に夜間は見にくく危険だという指摘がある。 収納スペースの少なさも深刻な問題だ。グローブボックスがなく、運転席周りに私物を置くスペースがほとんどないため、多くのドライバーが不便を感じている。 これらのデメリットは、ジャパンタクシーが「乗客ファースト」で設計され、「ドライバーズファースト」ではないことの表れと言えるだろう。個人が自家用車として毎日使うことを考えると、これらの不満点は無視できない要素となる

広い室内空間と優れた耐久性のメリット

ジャパンタクシーにはドライバー目線でのデメリットが多く指摘される一方で、自家用車として考えた場合に大きな魅力となるメリットも数多く存在する。特に、その広大な室内空間と、業務用車両ならではの高い耐久性は特筆すべき点だ。

圧倒的な室内空間と快適性

ジャパンタクシーの最大の魅力は、後部座席の広さと快適性にある。全高が1,750mmとミニバンクラスの高さがあり、ゆとりのあるヘッドクリアランスと広々とした足元スペースが確保されている。大開口の電動スライドドアと低床フラットフロアにより、高齢者や子供でも乗り降りが非常にしやすい。ユーザーレビューでも「後席は快適の一言」「内装が広く、後部座席の足元がフラットなところ」といった高い評価が寄せられている。 また、後席の乗り心地にも配慮されており、シートクッションの厚みを確保し、サスペンションも調整することで、身体の揺すられ感が少ないソフトな乗り心地を実現している。上級グレードの「匠」では、遮音性ガラスの採用により静粛性も高く、まさに「おもてなし空間」と呼ぶにふさわしい快適性を備えている。

タクシーユースに耐える高い耐久性とメンテナンス性

業務用車両として開発されたジャパンタクシーは、一般的な乗用車とは比較にならないほどのタフさを備えている。数十万キロの走行を前提とした設計であり、電動スライドドアをはじめとする各部品は高い耐久性を持つ。これは、長く乗り続けたいと考える個人オーナーにとって大きな安心材料となるだろう。 さらに、経済性を重視した設計により、メンテナンス性に優れている点もメリットだ。前述の通り、バンパーやライト類は部分的に交換可能な構造になっており、修理コストを低く抑えることができる。過酷な条件下で長期間使用されることを前提とした耐久性と、維持費を抑えるための工夫は、自家用車としての長期的な運用において大きな利点となる。 このほか、FF駆動であるため、FRセダンに比べて雪道や凍結路に強いというメリットも挙げられる。

意外と荷物が載らない?積載性の実態

ジャパンタクシーは背の高いワゴン形状から、広い荷室を想像しがちだが、実際には見た目ほど多くの荷物が積めるわけではない。この積載性の実態は、自家用、特にファミリーユースを考える上で重要なポイントとなる。

荷室容量を圧迫するLPGタンク

積載性が思ったほど高くない最大の理由は、後部座席の裏と荷室の間に搭載されているLPGタンクの存在だ。このタンクが荷室側にやや出っ張っており、フラットで広大なスペースを確保することを妨げている。公式な荷室容量は392L(VDA法)とされており、スーツケースなら2個、ゴルフバッグなら4個が収納可能と謳われている。しかし、これは荷物のサイズや形状に大きく左右される。 複数のスーツケースやキャリーケースを積む際には、積み方を工夫しないと全て収まらないこともあるという。また、バックドアが垂直ではなく、やや傾斜したデザインであることも、高さのある荷物を積む際の制約となっている。

後席アレンジの制限

一般的なミニバンやハッチバック車と大きく異なるのは、後部座席を倒して荷室を拡大することができない点だ。LPGタンクが後席背もたれの後ろに固定されているため、シートアレンジは不可能である。これにより、長尺物や大きな家具などを運ぶことは極めて困難となる。この点は、多様な使い方を想定する自家用車としては大きなデメリットと言えるだろう。 ユーザーレビューにおいても、「ラゲッジスペースが容量不足」「4人分の大型スーツケースは積めない」といった不満の声が見られる。一方で、あくまでタクシー車両として設計されているため、乗客の快適性を最優先し、荷室空間とのバランスを考慮した結果であるとも言える。 自家用としてジャパンタクシーを検討する際は、この積載性の限界を十分に理解し、自身のライフスタイル(買い物の量、レジャー用品の運搬など)と照らし合わせて判断する必要がある。

ジャパンタクシーを自家用で所有するということ

ジャパンタクシーを自家用車として所有することは、多くの課題を伴う一方で、他にはない独自の魅力を持つ選択肢である。この記事で解説してきた情報を基に、その総括を行う。

  • ジャパンタクシーはトヨタの販売店で個人でも購入可能だ。
  • グレードは「和」と上級の「匠」の2種類で価格は約345万円から。
  • 中古車市場にも存在するが流通台数は非常に少ないのが現状だ。
  • 個人購入の最大の障壁は燃料がLPGであることだ。
  • 個人向けに販売するLPGスタンドは全国でもごく少数に限られる。
  • 購入前に近隣のLPGスタンドの有無を確認することが必須条件となる。
  • LPGはガソリンより安価で燃料費を抑えられるメリットがある。
  • LPGタンクは6年ごとの検査が必要で別途費用が発生する。
  • エコカー減税の対象となり購入時の税金優遇措置を受けられる。
  • 後席は非常に広く快適で乗り降りがしやすい点が最大の魅力だ。
  • 業務用車両のため耐久性が高くメンテナンスコストを抑える工夫がある。
  • 一方で運転席は狭く、収納が少ないなどドライバー目線の不満が多い。
  • 後席右側の窓が開かないなど、自家用としては不便な点も散見される。
  • LPGタンクの影響で荷室は見た目ほど広くなくシートアレンジも不可だ。
  • 結論として、ジャパンタクシーは乗客の快適性を最優先した特化型の車両である。
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