レクサスRXの購入を検討している方にとって、前期型と後期型の違いは重要な判断基準となるであろう。単なる年式の違いだけでなく、外装デザインや内装装備と機能、走行性能と乗り心地、さらには安全装備に至るまで、多岐にわたる変更点がみられる。また、中古車市場における年式や価格、グレード構成、購入時の注意点、短期保有と長期保有における選択も、前期型と後期型で大きく異なるため、それぞれの特徴を理解することは非常に大切である。この記事では、レクサスRXの前期と後期の違いを詳細に解説し、あなたが自身のライフスタイルや予算に合った納得の一台を見つけるための情報を提供する。
この記事を読むことで「レクサス RX 前期 後期 違い」と検索した読者が具体的に何について理解を深められる。
- レクサスRXの世代別前期後期の定義と変遷がわかる。
- エクステリア、インテリア、走行性能、安全装備の具体的な違いがわかる。
- 中古車市場における年式、価格、グレード選択のポイントがわかる。
- 短期・長期保有を見据えた前期と後期の選び方、注意点がわかる。
レクサスRX 前期 後期で変わった点とその違い

- 世代別の前期と後期の定義を解説
- 外装デザインの前期 後期 違い
- 内装装備と機能の前期 後期 違い
- 走行性能と乗り心地の前期 後期 違い
- 安全装備の前期 後期 違い
世代別の前期と後期の定義を解説
レクサスRXには複数の世代が存在し、それぞれに前期型と後期型がある。一般的に、自動車の「前期」とはモデルチェンジ後の初期生産モデルを指し、「後期」とはそのモデルの販売期間中に施されるマイナーチェンジ後のモデルを指す場合が多い。ただし、レクサスRXの場合、ハリアーとして販売されていた時代を含めると歴史が長く、どの世代の前期・後期を指すかによって内容が大きく異なる点に注意が必要だ。
具体的には、2009年に発売された3代目RX(L10型)は、2012年にマイナーチェンジを実施し、この時期を境に前期と後期に分けられる。特にL10型の後期型では、レクサスの象徴ともいえるスピンドルグリルが初めて採用されたことが大きな特徴であった。
また、2015年に登場した4代目RX(AL20型)も、2019年に大規模なマイナーチェンジを受け、その前後で前期・後期と区別される。このマイナーチェンジでは、内外装のデザイン変更に加えて、走行性能や安全装備も大幅に進化を遂げた。
そして、2022年に登場した現行の5代目RX(AL30型)は、RX500h、RX450h+、RX350h、RX350といった多様なパワートレインを持つ。この現行モデルにおいても、初期生産ロットに一部不具合が報告されたケースがあり、対策後のモデルと初期型とで実質的な「前期後期」のような違いが認識されることがある。このように、RXの前期と後期を比較する際は、どの世代のマイナーチェンジを対象とするかを明確にすることが、正確な情報把握へつながる。
外装デザインの前期 後期 違い
レクサスRXの前期型と後期型では、外装デザインに明確な違いが見られる。これは、時代ごとのデザイン思想の進化と、ブランドアイデンティティの強化を反映したものだ。
3代目RX(L10型)の後期型では、レクサスブランドの象徴であるスピンドルグリルが導入されたことが最も大きな変更点であった。前期型では一般的なラジエーターグリルだったものが、後期型ではL字型のクリアランスランプと共に、より個性的で存在感のあるフロントフェイスへと変貌を遂げたのである。エアロバンパー装着車やFスポーツでは、グリルの縦方向の長さやメッシュデザインにも違いが見られ、迫力が増している。
4代目RX(AL20型)の2019年マイナーチェンジでは、ヘッドライト内のLED形状やデイライトが変更され、よりシームレスに光るタイプとなり、視認性と高級感が向上した。テールライトも凹凸が少なくなり、すっきりとした印象を与えている。また、バンパーの形状も変更され、特に後期型では下部まで続くデザインが特徴だ。
現行の5代目RX(AL30型)では、次世代LEXUSのデザインとして「スピンドルボディ」という新たな考え方が採用されている。これは、従来のスピンドルグリルからメッキ枠を排除し、ボディとグリルが融合したシームレスな表現によって、塊感を強調するデザインだ。フロントフェイスにはL字型デイタイムランニングライトが際立つ三眼フルLEDヘッドランプが備わる。サイドビューではフード先端を上げ、バックウインドウ後端を下げることで、水平かつ低重心な姿勢が実現されている。リアデザインでは、リヤコンビネーションランプ上にLEXUSロゴが配置され、L字型の一文字シグネチャーランプがボディサイドまで回り込むことで、ワイドで低重心なシルエットを強調している。また、グレードによって21インチのアルミホイールが設定されており、特に“F SPORT Performance”にはマットブラック塗装、“F SPORT”にはスーパーグロスブラックメタリック塗装の専用ホイールが用意される。
内装装備と機能の前期 後期 違い
レクサスRXの前期型と後期型では、内外装デザインと同様に、内装装備と機能面でも様々な進化が図られている。これにより、ドライバーと同乗者の快適性、利便性、そして運転への集中度が向上している。
3代目RX(L10型)の内装では、後期型でリモートタッチの操作系が大きく変更された。前期型のリモートタッチがエンターボタンが左右両側に配置されていたのに対し、後期型ではワンプッシュで操作可能な第2世代リモートタッチへと進化し、ボタン配置にも違いが見られる。また、エアコンの温度表示なども前期と後期で異なる場合がある。
4代目RX(AL20型)の2019年マイナーチェンジでは、ディスプレイがタッチ操作に対応し、位置も運転席寄りに変更された。さらに、前期モデルでは対応していなかったApple CarPlayやAndroid Autoといったスマートフォン連携機能も後期型で利用可能となった。これにより、スマートフォンの地図アプリや音楽アプリを車載ディスプレイで操作できる利便性が加わった。
現行の5代目RX(AL30型)の内装は、「Tazuna Concept」という人間中心の新しいコックピット設計思想に基づき開発された。これは、運転に集中しながらもスムーズな視線移動と手元操作を可能にするもので、ヘッドアップディスプレイからメーター、そしてタッチディスプレイへと流れるような情報系部品の配置が特徴だ。
主な内装装備と機能は以下の通りである。
14インチタッチディスプレイ
多くの機能をソフトスイッチに集約し、直感的な操作性を追求している。空調やオーディオの音量調整にはダイヤルスイッチが採用され、運転中の操作にも配慮されている。
12.3インチTFT液晶式メーター&カラーヘッドアップディスプレイ
必要な情報を厳選し、シンプルでわかりやすい表示を実現した。メーター表示は3つのレイアウトから選択可能で、運転モードに合わせて意匠も変化する。カラーヘッドアップディスプレイは、走行中の視界を確保しつつ、運転支援システムの作動状況や車速などの情報を効果的に表示する。
タッチトレーサーオペレーション
ステアリングスイッチに触れる位置を検出し、その操作ガイドをカラーヘッドアップディスプレイに表示する機能だ。これにより、手元を見ずに前方を見ながら直感的に操作できる。
e-ラッチシステム
従来のメカニカルなドア開閉機構を電気制御に置き換えたシステムである。滑らかな操作感で、乗車時も降車時もワンアクションでスムーズなドアオープンが可能となる。ただし、バッテリー電圧低下時や衝突時などには手動リリースハンドルで開けることができる。
インテリアイルミパッケージ
室内の造形や素材を美しく魅せる間接照明が設定されている。自然現象から着想を得た14色のテーマカラーに加え、50色のカスタムカラーが選択可能で、気分に合わせて室内の雰囲気を変えることが可能だ。
レクサスクライメイトコンシェルジュ
3席独立温度調整オートエアコンと連動し、シートヒーターやシートベンチレーション、ステアリングヒーターを自動制御することで、乗員一人ひとりに最適な快適性を提供する。
充電・給電システム
RX450h+などのプラグインハイブリッド車では、自宅や外出先での充電に対応した普通充電システムが搭載されている。また、外部電源に接続した際にエアコンやオーディオを使用できる「マイルームモード」や、非常時にクルマから外部へ給電できるシステムも用意されている。
G-Linkとデジタルキー
スマートフォンアプリを通じて車両とつながり、リモート操作や車両位置追跡、セキュリティアラーム通知などのサービスを利用できるG-Linkが提供される。デジタルキーは、スマートフォンを電子キーとして利用できる機能で、ロック・アンロックやエンジン始動が可能だ。
これらの内装装備と機能の進化は、レクサスRXが単なる移動手段ではなく、よりパーソナルで快適な空間を提供することを目指している表れと言える。
走行性能と乗り心地の前期 後期 違い
レクサスRXの前期型と後期型では、走行性能と乗り心地にも大きな進化が見られる。特に近年のモデルでは、新しいプラットフォームの採用やパワートレインの多様化により、その違いは顕著だ。
4代目RX(AL20型)の2019年マイナーチェンジでは、ボディ剛性の向上、プラットフォームの構造変更、フロントサスペンションの構造変更など、マイナーチェンジとしては異例ともいえる改良が施された。これにより、従来のモデルでも高い評価を受けていた乗り心地が、よりしっとりとした洗練されたものへと進化した。同時に、ステアリング操作に対する応答遅れが少ない俊敏な走りも実現し、フロアの振動も低減されているため、上質な乗り味を手に入れたと評価されている。前期型と比較すると、この進化の幅はすぐに体感できるレベルに達していたという声もある。
現行の5代目RX(AL30型)では、さらに多岐にわたるパワートレインが提供され、それぞれのモデルで異なる走りの特徴を持つ。
RX500h“F SPORT Performance”
高トルクな2.4L直列4気筒ターボエンジンと6速AT、フロントモーター、高出力リヤモーターeAxleを組み合わせた新開発のパフォーマンスハイブリッドシステムを搭載する。接地荷重に応じて四輪の駆動力を緻密に制御するAWDシステム「DIRECT4」により、高いレスポンスと安定感のあるコーナリング性能を両立している。 ただし、RX500hの初期モデルにおいては、低速域(約2km/hから6km/h)でのゆっくりとした加減速時に、車体全体が振動する不具合が報告されていた。この不具合は、2023年3月以降に生産された車両では発生せず、8月以降に提供された対策部品によって改善されたという事例がある。
RX450h+“version L”
大容量の駆動用バッテリーを搭載したプラグインハイブリッド車であり、EV航続距離はWLTCモードで86kmを達成する。普段の運転のほとんどをEVモードで楽しめる実用性を持つ。また、走行中にエンジンでバッテリーを充電できる「セルフチャージモード」や、状況に応じて走行モードを選べる機能も備わる。
RX350h“version L”
高効率な2.5L直列4気筒エンジンと高出力モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載し、気持ちの良い走りと低燃費を高次元で実現している。E-Four(電気式AWDシステム)を組み合わせることで、発進時や滑りやすい路面での安定した走行をサポートする。
RX350全車
高い加速応答性と十分な駆動力を誇る2.4L直列4気筒ターボエンジンを搭載する。高効率ツインスクロールターボやセンター直噴システムなどにより、優れた環境性能と低燃費を両立しながら、力強い伸び感のあるダイナミックな走りを実現する。電子制御フルタイムAWDは、前後トルク配分を75:25から50:50まで適切に制御することで、安定性と操舵応答性を高めている。
走行性能に関しては、特に静粛性の進化が注目される。特定の音だけが目立たないバランスの取れた静粛性を実現するため、乗車から始動、発進、高速走行までシーンに応じた性能向上が図られた。吸遮音材の強化やリヤドアガラスのアコースティック化などにより、エンジンノイズや風切り音、ロードノイズを低減している。
安全装備の前期 後期 違い
レクサスRXの前期型と後期型では、安全装備においても大きな進化が見られる。特に、最新のモデルでは「Lexus Safety System +」をはじめとする先進安全技術が多数搭載され、ドライバーの安全運転を多角的にサポートする。
4代目RX(AL20型)の2019年マイナーチェンジ後モデルでは、予防安全装備である「Lexus Safety System +」が大幅に強化された。具体的には、夜間の歩行者検知機能と昼間の自転車検知機能が新たに加わり、より幅広いシーンでの衝突被害軽減性能が向上している。
現行の5代目RX(AL30型)に搭載される安全装備は、以下の通りである。
プリクラッシュセーフティ
従来の作動範囲に加え、交差点で交差する車両や自動二輪車、低速時の自車直前の壁、歩行者、自転車運転者、車両まで検知対象を拡大した。衝突の可能性が高いとシステムが判断した場合、警報や弱いブレーキ、駆動力抑制などを行い、衝突回避や被害軽減をサポートする。また、ドライバーの回避操舵があった際には操舵支援を行い、車線逸脱抑制に寄与する「緊急時操舵支援」も設定されている。
レーダークルーズコントロール
設定した車速内で先行車との車間距離を保ちながら追従走行し、ドライバーの疲労軽減に貢献する。
レーンディパーチャーアラート(LDA) / レーントレーシングアシスト(LTA) / レーンチェンジアシスト(LCA)
LDAは車線逸脱の可能性をドライバーに知らせる機能であり、LTAは車線中央を維持するようステアリング操作をアシストし、LCAは車線変更時の安全確認を支援する。
ロードサインアシスト(RSA)
単眼カメラが認識した道路標識(最高速度、はみ出し通行禁止、一時停止、転回禁止など)をメーターに表示し、見落としを減らすことで安全運転を促す。
ドライバーモニター
ドライバーの脇見、漫然運転、居眠りといった不適切な運転状態を検知し、注意喚起を行う。顔向き検知や開閉眼検知に加え、視線検知も可能であるため、携帯電話に視線を落とすような脇見シーンも検知できるようになった。ただし、サングラスやマスク着用時など、特定の状況下では正常に作動しない場合がある点に留意が必要だ。
プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
「歩行者の横断」「飛び出しの可能性」といった運転状況に応じたリスクを先読みし、ステアリングやブレーキ操作をサポートする機能だ。これにより、危険に近づきすぎないよう運転操作を支援し、一般道での頻繁なペダル踏み替え操作の軽減にもつながる。
安心降車アシスト(ドアオープン制御付)(SEA)
降車時に後方からの接近車両(自転車を含む)を検知し、ドアミラー内のインジケーター点灯やブザー、音声通知で注意を促す。衝突の可能性が高い場合は、e-ラッチシステムを用いてドアアンラッチ操作をキャンセルすることで、ドアと後方車両や乗員の衝突を回避しようとする。
後方車両への接近警報
追突の可能性が高い後続車を検知した場合、ハザードランプを高速点滅させて後続車に注意喚起し、追突事故の被害低減に貢献する。
セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中後突対応)
停車中に後方からの衝突可能性を検知すると、衝突前にブレーキを作動させ、二次的な衝突被害を軽減する。
ドライブレコーダー(前後方)
車両前方と後方のカメラ映像を内蔵メモリーに常時記録する。周辺車両接近時サポート機能と連携し、後方車両の異常接近時には自動で録画・保存を行い、警察またはヘルプネットへの接続を提案する機能も備わる。
パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)
車両の前後左右カメラ映像を合成し、車両を上から見たような映像や床下を透過したような映像を表示することで、死角を減らし、駐車時や狭い道での運転をサポートする。
プラスサポート
ディーラーオプションとして設定され、専用キーでのドア解錠により自動で始動する。アクセルの踏み間違いや踏み過ぎを検知すると加速を抑制し、急発進を防ぐ機能である。
これらの先進安全装備の導入により、レクサスRXはドライバーだけでなく、周囲の歩行者や他の車両の安全にも配慮した、より高度な予防安全性能を備えている。
レクサスRX 中古車選びで考える前期 後期の違い

- 年式と価格の前期 後期 違い
- グレード構成による前期 後期の違い
- 中古車購入時に見るべき前期 後期の注意点
- 短期保有と長期保有における前期 後期の選択
- 【まとめ】レクサスRX前期 後期の違いと選び方
年式と価格の前期 後期 違い
中古車市場において、レクサスRXの前期型と後期型では年式による価格の違いが顕著に表れる。これはモデルチェンジやマイナーチェンジが車両の市場価値に与える影響が大きいためだ。
一般的に、新型モデルの登場は旧型モデルの価値に大きな影響を与える。新型RXが市場に投入された直後には、旧型RXの価値が約10%から15%も急激に下落する現象が発生する。これは「新型登場ショック」と呼ばれ、多くの高級車に見られる傾向だ。しかし、この初期の急落後は比較的安定した価格推移を示すことが多い。例えば、カーセンサーのデータによると、レクサスRXの旧型中古車価格が半年で50万円以上安くなったという報告もある。
そのため、中古車を購入するタイミングとしては、新型モデル登場から6ヶ月から1年が経過し、「新型登場ショック」による値下がりが落ち着いた頃が狙い目と言える。この時期の旧型モデルは、手頃な価格で購入でき、かつメーカー保証が残っている1~2年落ちの認定中古車なども選択肢に入るため、コストパフォーマンスに優れる場合がある。
特に、2019年にマイナーチェンジされた4代目RX(AL20型)の後期モデルは、外観デザインの大幅なアップデートと安全装備の充実が図られており、新型モデルと比べても見た目の古さを感じさせにくい。それでいて価格は大幅に抑えられているため、コストパフォーマンスが非常に高い選択肢となり得る。
ただし、価格は年式だけでなく、走行距離、グレード、ボディカラー、装備、車両の状態など、さまざまな要因によって変動する。人気グレードや希少色の車両は、比較的高いリセールバリューを維持する傾向がある点を理解しておくべきだろう。
グレード構成による前期 後期の違い
レクサスRXの前期型と後期型では、グレード構成にも変更が見られる場合があり、これが中古車選びにおいて重要なポイントとなる。グレードによって装備内容や走行性能が大きく異なるため、自身のニーズに合ったグレードを見極めることが大切だ。
3代目RX(L10型)の前期型では、RX450h、RX350、RX270というラインナップがあった。このうち、RX450hはハイブリッドモデルの頂点であり、バージョンLエアサスペンションモデルも存在した。バージョンLは高級感を重視した装備、バージョンSはスポーティさを意識したグレードであった。
一方、L10型の後期型からは新たに「F SPORT」が追加された。F SPORTはレクサススポーツのDNAを受け継ぐスポーティバージョンで、専用のスポーツダンパーや専用グリルなど、走りへのこだわりが随所に反映されたモデルである。特にF SPORTは四輪駆動(4WD)のみの設定であった。F SPORTの登場により、内装の高級感よりも走りを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢となった。しかし、F SPORTは木目調パネルが少ないなど、バージョンLに比べて内装の豪華さで劣ると感じるオーナーもいたという声がある。
現行の5代目RX(AL30型)では、以下の4種類のパワートレインとグレードが展開されている。
- RX500h“F SPORT Performance”
- RX450h+“version L”
- RX350h“version L”
- RX350(“version L”または“F SPORT”)
「F SPORT」および「F SPORT Performance」は、スポーティな内外装デザインと走行性能を追求したグレードであり、「version L」は豪華な装備と快適性を重視したグレードである。
中古車市場におけるグレード選択の傾向として、Fスポーツはスポーティなデザインと走行性能が人気を博し、比較的リセールバリューが高い傾向がある。一方でバージョンLは豪華装備が魅力であるものの、新車価格が高価なため、中古市場では値崩れが大きい傾向が見られる。ベースグレードは安定した需要があり、極端な値崩れは少ない。
このように、前期と後期、さらには現行モデルを通して、グレード構成はユーザーの多様なニーズに応える形で進化してきた。中古車を選ぶ際には、グレードによる装備差や走行性能、そして市場での人気度を考慮し、自身の優先順位に合致するグレードを選択することが重要だ。
中古車購入時に見るべき前期 後期の注意点
レクサスRXの中古車を購入する際、前期型と後期型それぞれの特性を理解し、注意すべき点を把握することは後悔しない選択のために欠かせない。年式やモデルチェンジのタイミング、そして特定のグレードにおける特性などが、購入後の満足度に大きく影響を及ぼす。
まず、世代を問わずマイナーチェンジ後の後期型は、デザインの洗練、機能の追加、走行性能の向上、安全装備の充実など、全体的に改良が施されている場合が多い。そのため、最新の技術や快適性を求めるのであれば、後期型を選ぶ方が満足度は高い傾向にある。特に4代目RX(AL20型)の2019年マイナーチェンジ後のモデルは、外観デザインの大幅なアップデートと安全装備の充実により、見た目の古さを感じさせにくく、価格も手頃であるため、中古車として非常に魅力的な選択肢となる。
一方で、現行の5代目RX(AL30型)の初期生産モデル、特にRX500hでは、低速域での加速や減速時に車体全体が振動する不具合が報告されていた。これはトランスアクスルに関する不具合とされ、2023年3月以降の生産車両では改善されている。そのため、初期型のRX500hを中古車で購入検討する場合は、対策品への交換歴があるか、あるいは不具合が改善された時期以降の生産車両であるかを確認することが非常に重要である。販売店に相談した際に「不具合は上がっていない」と言われたり、保証対象外とされたりするケースも報告されているため、慎重な確認が必要だ。
3代目RX(L10型)の後期型に新設されたF SPORTグレードには、専用のディンプル本革ステアリングやシフトノブが採用されているものの、内装に木目調パネルが使われていないため、一部のオーナーからは高級感に欠けるという声もあった。もし内装の高級感を重視するのであれば、バージョンLグレードを検討するか、あるいは後期型バージョンLにF SPORTのグリルを移植するといったカスタマイズを施した車両を探すのも一つの手である。これは「顔はFで装備はバージョンL」と呼ばれる人気のカスタマイズで、中古車市場でも見られることがある。
加えて、中古車購入では、年式や走行距離だけでなく、定期的なメンテナンス履歴、車検の残り期間、タイヤの摩耗状態、内外装の傷や汚れ、修復歴の有無などを総合的に確認する必要がある。特に、車両状態を正確に把握するためには、信頼できる販売店での購入や、専門家による車両鑑定の活用を検討することも賢明な判断といえるだろう。
短期保有と長期保有における前期 後期の選択
レクサスRXの購入を検討する際、その車をどのくらいの期間保有するかによって、前期型と後期型のどちらを選ぶべきかという戦略が変わってくる。短期保有と長期保有それぞれにおいて、前期と後期が持つメリットとデメリットを理解することが、賢い選択へつながる。
短期保有(1〜3年程度)の場合
短期間での乗り換えを前提とするのであれば、旧型RX、特に2019年以降のマイナーチェンジ後のモデルを選ぶ方が、値崩れのリスクを低く抑えられる傾向がある。その理由は、旧型モデルは既に新車登場時の大きな値下がり、いわゆる「新型登場ショック」を経験済みであり、今後の下落幅が限定的であるためだ。一方、新型RXは発売から日が浅い場合、これから1~3年の間に最も大きな値下がりを経験する可能性が高い。したがって、短期的な視点で見れば、価格が安定している後期型旧モデルの方が、売却時の損失を抑えられる可能性がある。
長期保有(3年以上)の場合
長期間にわたって一台のレクサスRXを乗り続けることを想定しているのであれば、予算が許す限り、比較的新しいモデルや現行モデルの後期型を選ぶメリットが大きい。後期型は一般的に、前期型に比べてデザインが洗練され、最新の安全装備や先進技術が搭載されているため、陳腐化しにくいという利点がある。例えば、4代目RXのマイナーチェンジ後モデルは、外観デザインや安全装備が大幅にアップデートされており、現行の5代目RXも先進技術の塊である。
長期保有では、車の維持費も考慮する必要がある。特にハイブリッドモデルの場合、バッテリー寿命に関する懸念から、中古市場ではガソリンモデルより値崩れしやすい傾向があるとされるが、新型PHEVモデルは環境志向の高まりから将来的に高い価値を維持する可能性も指摘されている。また、最新モデルにはソフトウェアアップデートによる機能改善の余地もある。
長期的に見てリセールバリューを最大化したい場合は、人気カラー(ホワイト、ブラック、シルバーなど)の選択や、過剰なオプションを避けて必要最低限の装備に留めること、そしてFスポーツグレードを検討することが推奨される。これらの要素は、将来的に車両を売却する際に有利に働く可能性がある。
最終的に、短期保有か長期保有かによって、価格安定性や最新技術の享受、維持コストのバランスを考慮し、自身のカーライフプランに最も適した選択をすることが重要である。
【まとめ】レクサスRX前期 後期の違いと選び方
レクサスRXの前期と後期は、単なる年式の差にとどまらない多様な違いがある。車両の購入を検討する際には、これまでの情報を総合的に判断し、自身の価値観に合った選択をすることが大切だ。
以下に、レクサスRXの前期と後期の違いを考慮した選び方のポイントをまとめる。
- レクサスRXの前期と後期は世代によって定義が異なる点を把握すること
- 3代目L10型では後期でスピンドルグリルが初採用されたことを理解すること
- 4代目AL20型は2019年のマイナーチェンジで内外装や走行性能が大きく進化したこと
- 現行5代目AL30型はTazuna Conceptや最新安全装備が充実していること
- 外装デザインは後期型になるほど洗練され、特徴的なフロントグリルが進化していること
- 内装は後期型でタッチディスプレイやスマートフォン連携機能が強化されたこと
- 現行モデルの内装はTazuna Conceptに基づく操作性と開放感が魅力であること
- 走行性能と乗り心地は後期型でボディ剛性やサスペンションが改良され上質化したこと
- RX500hの初期モデルには低速域での振動不具合があったため確認が必要であること
- 安全装備は後期型になるほど検知範囲や機能が拡張され予防安全性が高まっていること
- 中古車価格は新型登場直後の旧型が急落後安定するため狙い目となる場合があること
- Fスポーツグレードはスポーティさで人気がありリセールバリューも比較的高い傾向があること
- バージョンLは豪華装備が魅力だが中古市場では値崩れが大きい可能性があること
- L10型Fスポーツは内装の木目調が少ないため高級感を重視するなら注意が必要であること
- 短期保有なら値下がりが落ち着いた旧型後期モデル、長期保有なら最新技術の新型が適していること