レクサスLBXは買うべきか?燃費・納期・リセールを徹底比較

LBX コンパクト
LEXUS LBX公式

「レクサス LBX 買う べき か」――この疑問を抱き、情報収集をしているあなたへ。レクサス初のコンパクトSUVとして注目を集めるLBXは、その上質なデザインと機能性で多くの人々を惹きつけています。しかし、実際に購入するとなると、全長4,190mmで都市部での取り回しが良く、狭い道や駐車場での運転が容易であるといった具体的なメリットから、リセールバリューや納期、実際の燃費、後席や荷室の使い勝手、そしてオーナーの生の声まで、知りたいことは尽きないでしょう。さらに、1.5L直列3気筒ハイブリッドシステムを搭載し、電気リッチで応答性の高い加速感を実現している点も、その魅力を形成する重要な要素です。この記事では、あなたの疑問を解消し、後悔のない賢い選択をするための重要なポイントを徹底的に解説します。LBXのあらゆる側面を深掘りし、あなたの購入判断を強力にサポートします。

この記事のポイント
  • コンパクトながらもレクサスらしい上質さや走行性能、静粛性を備えているか
  • 都市部での取り回しやすさや、実際のオーナーが感じる運転の楽しさや操作性に関する評価と不満点
  • ハイブリッドモデルと高性能なMORIZO RRモデルにおける燃費、動力性能、価格、安全装備の違い
  • 高いリセールバリューの傾向、納期状況、後部座席のリクライニング機能の有無など、購入前に確認すべき実用面

レクサスLBXは買うべきか?その魅力と価値

インデックス
  • 小さな高級車のコンセプトと立ち位置
  • 上質さにこだわった内装デザイン
  • 街乗りに最適な走行性能
  • ハイブリッドの優れた燃費性能
  • 最新の安全装備Lexus Safety System+
  • 高残価率のリセールバリュー

小さな高級車のコンセプトと立ち位置

lexus lbx
lexus 公式から引用

レクサスLBXは、従来の高級車の概念を打ち破る「クラスレスなコンパクト」という新しい価値を提案する一台である。車名の「LBX」は、「Lexus Breakthrough X(cross)-over」の頭文字から取られており、コンパクトでありながら走りもデザインも上質である車を目指して開発された。このモデルは、レクサスブランドのこれまでの常識を覆し、特に若年層や都市部に住む顧客に向けた、レクサスへの理想的な入門モデルとして位置付けられている。

LBXは、単にレクサスの既存モデルを小さくしただけではない。小型車の高級化という逆転の発想に基づいて作られており、コンパクトカーの概念そのものを再定義する野心的な試みと言える。開発の過程では、レクサスのブランドホルダーである豊田章男会長(モリゾウ氏)からの「本当にやりたいことがやれているのか?」という問いかけが、当初のデザイン案を大きく見直すきっかけとなった。その結果、タイヤを強調し、前後フェンダーが大きく張り出した「鏡餅」のような低重心のデザインが採用されている。この独特なプロポーションは、小さいボディながらも存在感を際立たせ、見る者に強い印象を与える。

また、LBXのボディサイズは全長4,190mm、全幅1,825mm、全高1,545mmであり、これは日本の都市環境において非常に取り回しやすい絶妙なサイズと言えよう。狭い道でのすれ違いや、コインパーキング、立体駐車場などでもストレスなく扱える設計になっている点が魅力だ。さらに、トヨタのヤリスクロスと同じGA-Bプラットフォームをベースとしているものの、LBXは外観も内装も完全に異なる別物として開発されており、レクサスとしてのこだわりが随所に詰まっている。このように、LBXは「小さくても本物」というレクサスクオリティを凝縮し、日常使いの中でプレミアムな体験を提供することを追求した一台なのである。

上質さにこだわった内装デザイン

レクサスLBXのインテリアは、「Premium Casual」というデザインコンセプトに則り、プレミアムにふさわしいしつらえを追求した空間が広がっている。運転席に座ると、視界が非常に良好なことに気づくだろう。メーターパネルや9.8インチディスプレイオーディオの位置が低く抑えられており、ダッシュボードの高さも相まって、広々とした前方視界が確保されているため、どのような体格のドライバーでも運転しやすいと感じるはずだ。

内装の大きな特徴は、体が触れる部分のほとんどに本革やウルトラスエードといった上質な素材が惜しみなく使用されている点である。例えば、Relaxグレードでは、セミアニリン本革のしっとりとした質感と肌触りの良さが、触れるたびに心地よさをもたらす。一方、Coolグレードでは、セミアニリン本革とウルトラスエードの組み合わせが採用され、サラサラとした独特の手触りが印象に残る。これらの素材は、単に見た目の高級感を演出するだけでなく、触覚にも訴えかけることで、小さな高級車としての質感を高めている。細部に目をやると、タコマイスターの技術が活かされた丁寧な縫製や仕上げ、そしてドリンクホルダー周辺のオーナメントなど、独特なマテリアルを用いた細やかなディテールへのこだわりが見て取れる。操作系のスイッチ類も適度な重みと手触りがあり、所有する喜びを感じさせる要素の一つだ。

また、コンパクトカークラスでは珍しく、質感の高い素材を用いたセンターアームレストが装備されているのも嬉しいポイントである。長時間のドライブにおいても、ドライバーや同乗者がリラックスできる姿勢を保つのに役立つだろう。さらに、64色ものカラーバリエーションを持つアンビエントライトは、インナー・ドア・ハンドル周辺や足元、コンソールなど、意外と多くの部位で発光する。光量も十分あり、夜間はもちろん、薄暗い時間帯でもしっかりと車内を彩り、ムーディな空間を演出してくれる点は、ユーザーのフィードバックが活かされた改善点と言える。ただし、一部のユーザーからはステアリングスイッチのタッチトレーサーオペレーションが使いにくいという意見も聞かれる。反応の遅さや文字の非表示、運転中のメーター画面モードの変更のしにくさなどがその理由だ。また、シートの座面が薄い、あるいは硬いと感じ、長時間座ると腰痛が出るという声もある。これらの点は個人の感覚に左右される部分だが、購入前の試乗で確認することをおすすめする。

街乗りに最適な走行性能

レクサスLBXは、そのコンパクトなボディサイズに反し、ドライバーと車が一体となるような操縦性と、全ての乗員が自然と笑顔になれる快適性を追求した走行性能が特徴である。特に都市部での使用を想定した設計により、優れた取り回しの良さを実感できるだろう。全長4.19mというコンパクトなサイズは、狭い路地や混雑した駐車場でもストレスなく運転することを可能にする。小回りが利くため、Uターンや切り返しも少ない動きで行え、最小回転半径は5.2mとコンパクトSUVとしては優秀な数値を示している(MORIZO RRは5.4m)。

運転席からの視界は極めて良好であり、ボンネットの先端まで見渡せるため、車両感覚を掴みやすい。これは、運転に自信がない方にとっても大きな安心材料となるだろう。電動パワーステアリングは軽めでナチュラルな味付けだが、絶妙な重さ加減と正確なフィードバックがあり、「切ったら切った分だけ曲がる」というリニアな感覚を味わえる。アクセル操作に対する反応もダイレクトに伝わり、意のままに車を操る楽しさを感じさせてくれる点が、LBXの走りの大きな魅力と言えよう。動力性能は、パワフルという表現が適切ではないかもしれないが、フラットトルク感のある加速により、公道ではパワー不足を感じることはほとんどない。また、2WDモデルはフロントから鋭く向きを変える軽快な感覚を、AWDモデルは後輪がしっかりと接地する安定感の高い走りを提供する。

前述の通り、快適性と静粛性の高さは特筆すべき点である。エンジン音や風切り音、ロードノイズが徹底的に抑制されており、高速走行時もエンジン回転数が低く保たれるため、車内は静かで快適な会話が可能となる。路面の凹凸もしっかりとサスペンションが吸収し、シートや足元から伝わる振動も少ないため、長距離ドライブでも疲れにくいとの評価が多く聞かれる。

一方で、一部のユーザーからは、3気筒エンジンの音が耕運機に匹敵すると感じられたり、路面の細かな段差を拾い、振動がダイレクトに伝わるといった意見も存在する。特に、サスペンションがやや硬めに設定されていると感じる方もおり、乗り心地の好みは分かれる可能性がある。また、フル乗車時や急勾配の坂道では、パワー不足を感じる場面があるとの指摘や、モーター走行時の静かさに比べ、充電のためのエンジンがかかると、高級車としては残念なエンジン音と振動が発生するといった声も聞かれる。これらの点は個人の感覚や使用状況によって異なるため、購入を検討する際には、必ず試乗を行い、自身の感覚で走行性能や乗り心地を確かめることが重要だ。

ハイブリッドの優れた燃費性能

レクサスLBXは、そのコンパクトなボディサイズに最新のハイブリッドシステムを搭載し、優れた燃費性能を実現している。このモデルには、1.5L直列3気筒M15A-FXE型ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムが採用されている。このシステムは、高効率エンジンに加えて、モーター出力を向上させた軽量かつコンパクトなトランスアクスル、そして高い電池出力を持つバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載している点が特徴だ。

レクサスがこれまでに培ってきた電動化技術により、エンジン、モーター、電池の性能が最大限に引き出されている。アクセル操作に対する電池とモーターによるアシストが大幅に強化されており、応答遅れが少なく、立ち上がりの早い「電気リッチ」な加速感が実現されている。加速中もエンジン回転数と車速、エンジン音が連動し、伸びのあるリニアな走りを演出しながらも、HEVシステム全体で高効率となるよう緻密に制御されているため、優れた燃費性能につながっている。さらに、走行中は電動感が強く、EV走行の比率が高い傾向にあり、バッテリー残量も比較的カツカツになりにくいという声も聞かれる。

具体的なWLTCモード燃費を見ると、FF(前輪駆動)モデルは27.7km/Lから28.0km/L、AWD(4輪駆動)モデルは26.2km/Lから26.4km/Lを達成しており、ヤリスクロスの27.8km/Lとほぼ同等の数値を示している。ユーザーの実際の燃費記録も参考になる。みんカラユーザーの平均燃費は、レギュラーガソリンで20.94km/L、ハイオクで10.57km/Lであった。通勤で18km/L前後、高速道路主体で走行した場合は平均25.5km/Lを記録したという報告もあり、優れた実用燃費を期待できる。ただし、一部では想像よりも燃費が伸びない(21~23km/L)と感じる声や、ホイール交換後に燃費が悪化したという指摘も存在する。試乗で市街地中心に走行した場合、17.1km/Lだったという感想もある。

燃料はレギュラーガソリン仕様のため、MORIZO RRのようなプレミアムガソリン仕様のモデルと比較して、日々の燃料費を抑えることが可能だ。また、エコカー減税の対象となるモデルもあり、1.5L直列3気筒エンジンは自動車税の軽減対象となる場合があるなど、税制面でもメリットがある。車両重量税については、全グレードが1.0t~1.5tの範囲に収まっているため、同額となる。このように、LBXは環境性能と経済性を高い次元で両立しており、購入後の維持費においてもメリットを享受できる一台と言えるだろう。

最新の安全装備Lexus Safety System+

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lexus 公式から引用

レクサスLBXは、レクサスが掲げる究極の目標「交通事故死傷者ゼロ」の実現に近づくため、進化したLexus Safety System+を標準装備している。このシステムは、事故の未然防止、交通事故死傷者のさらなる低減、そしてドライバーの負担軽減を目指して開発された。

Lexus Safety System+の主要機能は多岐にわたる。プリクラッシュセーフティは、昼夜を問わず歩行者、自転車運転者、さらに昼間の自動二輪車をミリ波レーダーと単眼カメラで検知し、衝突回避支援や被害軽減ブレーキを作動させる。特筆すべきは、交差点での交差車両や右左折時の対向車、横断歩行者、自転車運転者にも対応し、より幅広いシーンでの衝突回避を支援する点である。レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)は、先行車との車間距離を保ちながら追従走行を支援し、停止や発進も自動で行うため、高速道路での渋滞時など、ドライバーの運転負荷を大幅に軽減する。レーントレーシングアシストは、レーダークルーズコントロール作動中に車線維持に必要なステアリング操作を支援し、車線中央をキープする走行をサポートするほか、隣接車線からの回避オフセット制御も行う。プロアクティブドライビングアシストは、運転状況に応じたリスクを先読みし、ステアリングやブレーキ操作をサポートすることで、危険に近づきすぎないよう支援し、ドライバーの安心感に繋がる。

さらに、LBXには「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されたLexus Teammate機能も搭載されている。Lexus Teammate Advanced Drive(渋滞時支援)は、一部の高速道路や自動車専用道路の渋滞時(0-40km/h)において、システムが認知・判断・操作を支援し、ハンズオフでの運転も可能にする。Lexus Teammate Advanced Park(リモート機能付)は、駐車シーンにおける支援を拡大し、並列駐車の前向き駐車、バック出庫、前向き出庫に対応する。ステアリング、シフト、アクセル、ブレーキの全操作を車両が支援し、スムーズな駐車を実現する。また、パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)は、車両周囲を上から見たような映像に加えて、床下透過表示機能により車両直下やタイヤ付近のアンダーフロア映像も確認でき、駐車やすり抜けをサポートする。

パーキングサポートブレーキは、アクセル踏み間違いによる衝突緩和だけでなく、周囲静止物、後方接近車両、後方歩行者に対する衝突被害軽減ブレーキまで対応し、多角的に安全運転を支援する。このように、LBXは「サポカーSワイド」の対象車となっており、非常に高い安全性を誇っている。ただし、MORIZO RRモデルには、Advanced Drive(ハンズオフ)、Advanced Park(自動駐車、側方障害物衝突回避)、交差点進入時衝突回避、緊急時操舵アシスト、車線変更支援、コーナリングライト、LEDフォグランプ(フロント)などが設定されていない点には注意が必要である。

高残価率のリセールバリュー

レクサスLBXは、中古車として売却する際のリセールバリューが非常に高いことで知られている。新車購入から1年から3年経過した時点でのリセールが特に良好であり、3年落ちのモデル全体では平均75.1%という高い残価率を保持している。これは、売却時に有利な条件となる大きな要素だ。

具体的にリセールの良いグレードを見ると、「MORIZO RR」が平均77.4%と最も高く、次いで「Cool」グレードも71.0%〜81.6%と高い残価率を維持している。一方で、「Bespoke Build」グレードは平均72.1%と、他のグレードと比較して若干低い傾向にある。これらのグレード間で約5.3%の残価率の差が生じるため、将来的な売却を視野に入れるのであれば、グレード選びも重要となるだろう。

また、ボディカラーもリセールバリューに影響を与える。LBXで**リセールの高い色はソニッククォーツ(白系)とブラックマイカ(黒系)**である。これらのカラーは、性別や年代を問わず幅広い層に人気があるため、中古車市場での需要も高く、高額査定につながりやすい。もちろん、自分の好みの色を選ぶことも大切だが、リセールを意識するなら、白や黒の選択が賢明と言える。

さらに、リセールバリューを高めるオプションも存在する。後付けが難しいメーカーオプションや人気の純正エアロパーツは、中古車としての価値を大きく引き上げる要素だ。具体的には、「マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステム」や「MODELLISTAアドバンストラグジュアリーパッケージ」といったオプションが、リセールを高める上で効果的であるとされている。これらの装備は、中古車を購入する際に改めて費用をかけて装着することが難しい、あるいは費用がかさむため、新車時に装着されていると評価が高まるのだ。

ヤリスクロスやメルセデス・ベンツGLAといった競合車種と比較しても、LBXのリセールバリューは優れている。特に3年落ちの範囲では、LBXの最小残価率が66.60%と高いため、どのグレードを選んでも一定以上の価値が保証される安心感がある。ただし、ヤリスクロスはグレードによっては92.10%という非常に高い残価率を出すケースもあるため、一概にどちらが優れているとは言えない。

リセールバリューを最大化するためには、人気のグレードやカラーを選び、3年落ちまでに売却することが推奨される。売却時には、ディーラーの査定額が安く提示されることが多いため、事前にインターネットで複数社の査定額を確認しておくことが、より高値で売却するための重要なポイントとなる。

レクサスLBXを買うべきか?購入前に知るべき点

インデックス
  • 後部座席や荷室の制約
  • ユーザーが感じる走行性能の意見
  • グレードと価格のバランス
  • ヤリスクロスとの比較ポイント
  • MORIZO RRの現状と納車状況
  • LBXの維持費と経済性
  • レクサスLBXは買うべきか?主要ポイントまとめ

後部座席や荷室の制約

レクサスLBXは「小さな高級車」というコンセプトのもと開発されたコンパクトSUVであり、そのサイズ感から後部座席や荷室には一定の制約が存在する。全長4.19mというコンパクトなボディサイズは都市部での取り回しには非常に有利な一方で、室内空間、特に後部座席の広さや荷室容量には限界があることは理解しておくべきだろう。

後部座席については、成人男性(身長170cm程度)が乗っても狭さや窮屈さを感じにくいという声もあるが、大柄な大人が長時間乗車する場合には、膝まわりスペースが窮屈に感じる可能性がある。しかし、足元・頭上空間には余裕を持たせる工夫が凝らされており、前席シートの下に足が入れられる設計などにより、コンパクトカーとしては十分な広さを確保している。ヤリスクロスと比較した場合、LBXは全幅が60mm広く、肩まわりにゆとりがある点が特徴だ。2人乗車時には特に快適性が高く、長距離移動でも疲れにくいという評価も聞かれる。一方、3人横並びで座る場合はややタイトに感じるかもしれないが、短時間の移動であれば問題ないだろう。

また、LBXの後部座席にはリクライニング機能が搭載されていない。長距離移動の際に姿勢調整ができない点は人によっては不満に感じるかもしれないが、この点はクッション性の高いシート素材や、背もたれの絶妙な角度設計により、自然な姿勢が保てるよう工夫されていることで補われている。さらに、センターアームレストやドリンクホルダー、後席用USBポートなども完備されており、スマホ充電など長距離移動における利便性が考慮されている。独立した空調ダクトが装備されているため、どのような天候でも快適な室内環境を維持できるのは嬉しいポイントだ。

荷室容量に関しては、2WDモデルで最大330L+2Lを確保しており、コンパクトSUVとしては高い実用性を持つ。特に、9.5インチのゴルフバッグを横向きに収納できる点は、ゴルフ愛好家にとっては魅力的なポイントだろう。しかし、長尺ドライバーを含むバッグの場合、積載は基本的に1セットまでが目安となる。また、荷室容量が332リットルと、家族旅行など大容量の荷物を積む際には物足りなさを感じるかもしれない。後部座席は6:4分割可倒式だが、完全にフルフラットにはならない設計だ。大型バッグを複数積む場合は、収納レイアウトの工夫が必要となる。これらの制約はコンパクトSUVの特性によるものであり、頻繁に多人数で乗車したり、多くの荷物を運んだりする機会が多い場合は、事前に実車を確認し、自身の使用目的に合致するかどうかを判断することが、購入後の後悔を避ける上で重要である。

ユーザーが感じる走行性能の意見

レクサスLBXの走行性能は、ユーザーによって様々な評価が聞かれる。ポジティブな意見としては、「運転していて楽しいクルマ」という声が多く聞かれる。電動感が強く、車体の軽さも相まって、アクセルを踏むとダイレクトに走りに繋がる感覚があり、中間加速も申し分ないという評価がある。さらには、3気筒エンジンの唸る音が、運転の楽しさを高めるというユニークな意見も存在する。ステアリングは軽めでナチュラルな味付けであり、切った分だけ曲がるリニアさがあるため、「意のままに操れる」という感覚を多くのユーザーが実感しているようだ。

静粛性の高さもLBXの大きな魅力として挙げられる。多くのオーナーが「静かで乗り心地が良すぎる」と評価しており、高速道路でも会話がしやすい、長距離ドライブでも疲れにくいといった具体的な声が寄せられている。サスペンションも路面の凹凸をしっかりと吸収し、シートや足元から感じる振動も非常に少ないため、快適性は高いという評価が目立つ。

一方で、ネガティブな意見や課題点も存在する。一部のユーザーからは、「高級感はまったくない」という厳しい評価も聞かれる。エンジン音やロードノイズが気になる、特に濡れた路面では水音がダイレクトに入ってくるという指摘もある。また、路面の段差を拾い、細かな振動が伝わる感覚や、サスペンションが柔らかくない「箱感」を感じるという声もある。モリゾウ氏も指摘している通り、LBXがヤリスクロスと同じプラットフォームをベースとしているため、走りの質には限界があるという見解も存在する。具体的には、リアのトーションビーム式サスペンションが突き上げ感や挙動の不安定さを引き起こし、コーナリング時の追従性に物足りなさを感じるという声も聞かれる。高速道路での直進安定性やステアリングのダイレクト感において、ホンダN-ONEの方が優れているという比較意見もある。

さらに、フル乗車時や急な坂道ではパワー不足を感じる場面があるとの指摘もあり、特に勾配のきつい峠道ではアクセルをべた踏みしてもパワー不足が否めないという意見もある。モーター走行時は静かで上質だが、充電のためにエンジンがかかると、高級車としては残念なエンジン音と振動が発生するという声も存在する。このように、走行性能に関する意見は個人の感覚や過去の車歴、期待値によって大きく異なるため、カタログ情報だけでなく、実際に試乗して自身の運転スタイルや好みに合うかどうかを確かめることが、購入後の満足度を高める上で非常に重要だ。

グレードと価格のバランス

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lexus 公式から引用

レクサスLBXは、そのプレミアムコンパクトSUVという位置付けから、様々なグレードが設定されており、それぞれが異なる特徴と価格帯を持つ。新車本体価格は420万円から720万円と幅広く、フルオプションを選ぶと約576万円に達することもある。この価格帯は、単なるコンパクトSUVではなく、レクサスブランドならではの上質さと最新装備が盛り込まれていることを反映している。

主要なグレードは「Cool」「Relax」「Bespoke Build」の3種類に加え、2024年に追加された「Elegant」、そして2025年に追加された新グレード「Active」がある。

  • Coolは、スポーティで都会的なイメージのエントリーグレードとされ、セミアニリン本革とウルトラスエードの組み合わせの内装が特徴だ。
  • Relaxは、落ち着きと華やかさを両立させ、セミアニリン本革を基本とした内装が魅力である。
  • Bespoke Buildは、約33万通りもの内外装のカスタムが可能なオーダーメイドシステムであり、自分だけの一台を追求したい層に適している。ただし、このグレードは部品調達に時間がかかるため、通常のグレードよりも納期が長くなる傾向がある。
  • Elegantは、価格を抑えつつも、ソリスホワイトやモーヴのL texシートなど、レクサスらしい内装色を選べるグレードだ。
  • Activeは、スポーティな中に上品な遊び心を加えた内外装が特徴で、アクティブなライフスタイルを志向する層に向けられている。

最上位のMORIZO RRは、GRヤリスのエンジンをベースとした1.6Lターボエンジンを搭載するハイパフォーマンスモデルで、MT設定も用意されている。その価格は650万円から720万円と、通常のLBXよりも160万円から230万円ほど高価に設定されている。この価格差は、MORIZO RRが専用のエンジン、サスペンション、ブレーキ、そして内外装デザインといった特別なパフォーマンスと所有感を追求していることに起因する。

LBXがヤリスクロスとプラットフォームを共有しているにもかかわらず、価格が100万円以上高くなることに対し、その価格差に見合う価値があるかという疑問も生じる。しかし、LBXは外観デザインの高級感、内装の素材や質感、静粛性、専用チューニングされた上質な走行性能、そして充実した標準装備において、ヤリスクロスを明らかに上回る。このため、単なる移動手段としてだけでなく、「所有する喜び」や「質感」を重視する方には、LBXの価値は十分にあると言えるだろう。

ただし、エントリーモデルとしての位置づけから、上位のレクサスモデルに搭載される一部の装備や機能がLBXでは省略されている点も考慮すべきだ。例えば、マークレビンソンオーディオシステムがオプション設定であるか、あるいは設定がないグレードがある。また、パワーバックドアが一部グレードのみのオプションであることや、パノラマルーフ、シートベンチレーション機能が非設定であることなどが挙げられる。ヘッドアップディスプレイも、通常モデルではオプション扱いとなる。これらの装備の有無は、ライフスタイルや優先順位によって重要度が異なるため、カタログ情報だけでなく、実際に試乗し、自身のニーズに合った機能が備わっているかを見極めることが、後悔しない選択のために肝要である。

ヤリスクロスとの比較ポイント

レクサスLBXとトヨタ・ヤリスクロスは、共にTNGA GA-Bプラットフォームをベースとしている点で共通性を持つ。しかし、価格差が100万円以上あることから、多くの購入検討者が「この価格差に見合う価値があるのか」という疑問を抱くのは自然なことである。実際に両車を比較すると、多くの点で明確な違いが見えてくる。

まず外観デザインにおいて、LBXはヤリスクロスとは完全に異なる独自のスタイリングを採用している。レクサス独自の「ユニファイドスピンドル」と呼ばれる新しいフロントフェイスと、ボディパネルの大胆な抑揚や低重心な佇まいが特徴的だ。このデザインは、レクサスのチーフエンジニアがモリゾウ氏の意見を取り入れ、タイヤを強調した「鏡餅」のようなプロポーションに大改良した結果生まれたものであり、単なる小型レクサスではなく、存在感のあるプレミアムコンパクトSUVとしての個性を放っている。

次に内装品質だが、LBXは明らかにヤリスクロスを上回る。本革やウルトラスエードといった上質な素材が随所に使われ、触れる部分すべてにこだわりが見られる。タコマイスターの技術を活かした丁寧な縫製や仕上げ、そして適度な重みと手触りの操作系スイッチ類が、LBXならではの高級感を演出している。この点は、単に機能的な移動空間以上の「所有する喜び」を重視するユーザーにとって大きな魅力となる。

走行性能についても、LBXはヤリスクロスとは一線を画す。LBXは専用チューニングされたサスペンションを採用しており、ヤリスクロスよりも出力が向上したハイブリッドシステムと、バイポーラ型ニッケル水素電池の使用により、レスポンスの良い走りを実現している。特に静粛性に関しては、エンジン音やロードノイズが徹底的に抑制されており、レクサスならではの上質な乗り心地が追求されている。しかし、ヤリスクロスがベースであることから、走りの質には限界があるという見解も一部に存在する。

装備内容もLBXは充実している。標準装備が豊富で、レクサス独自の先進機能も搭載されている。例えば、ヤリスクロスには設定のないマークレビンソンオーディオシステムがLBXではオプション設定されている点などが挙げられる。また、LBXはヤリスクロスより全幅が60mm広く、肩まわりに余裕があるため、特に2人乗車時の快適性が高い。

リセールバリューの面では、LBXはヤリスクロスよりも最小残価率が高い傾向にある。これは、どのグレードを選んでも一定以上の価値が保証されるという安心感につながる。総合的に見ると、LBXは単なる移動手段としてだけでなく、「所有する喜び」や「質感を追求したい」という価値観を持つ方には十分に価格差に見合う価値があると言えるだろう。一方で、コストパフォーマンスを最優先し、機能性を重視するのであれば、ヤリスクロスも魅力的な選択肢となる。どちらの車を選ぶかは、最終的に個人のライフスタイルや価値観に深く依存する。

MORIZO RRの現状と納車状況

レクサスLBXの中でも、特に注目を集めるのがハイパフォーマンスモデル「LBX MORIZO RR」である。この特別なモデルは、トヨタ自動車の豊田章男会長(モリゾウ選手)の愛車をモチーフに開発された、パフォーマンス志向の強いコンセプトカーが市販化されたものだ。その最大の魅力は、GRヤリスに搭載されているエンジンをベースにした1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン(G16E-GTS型)にある。このエンジンは最高出力305PS、最大トルク400Nmという圧倒的なスペックを発揮し、専用チューニングが施されたサスペンション、ブレーキ、そしてGR-FOUR(電子制御フルタイムAWDシステム)と組み合わされることで、標準のLBXとは一線を画す「走る楽しさ」を追求したモデルとなっている。さらに、日本のレクサスとしては初となる6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)の設定があり、クルマを意のままに操る喜びを存分に味わえる点が、多くのクルマ好きから熱い視線を集めている。内外装も専用のエアロパーツやモリゾウ選手のシグネチャーカラーであるイエローのアクセントカラー、専用スポーツシートなどが採用され、その迫力ある見た目も魅力の一つだ。

しかしながら、LBX MORIZO RRの現状と納車状況は非常に流動的である。2025年5月現在、レクサス公式サイトでは具体的な納期が明示されておらず、「詳しくは販売店にお問い合わせください」と案内されている。これは、生産台数が限定されることや、通常のモデルとは異なる受注方法が採られる可能性を示唆している。実際、2025年の初頭から春にかけては、想定以上の注文殺到や部品供給の不安定さ、さらには年次改良への準備や補機バッテリー問題への対応といった複合的な要因から、一部ディーラーで一時的に受注停止の情報が流れた。MORIZO RR “Bespoke Build”に至っては、100台限定の抽選販売形式が採られたことからも、その希少性がうかがえる。2024年7月18日に正式発表され、同日より受付が開始されたものの、現在も需要が非常に高いため、購入を検討する場合は迅速な行動が求められるだろう。

MORIZO RRを手に入れるためには、いくつかのポイントがある。まず、レクサスディーラーの担当営業と密に連携し、MORIZO RRに関する最新情報が入り次第、速やかに連絡をもらえるように依頼しておくことが不可欠だ。また、レクサス公式サイトや自動車メディアの情報を常にチェックし、公式発表を見逃さないようにアンテナを高く張っておくことも重要である。購入意思を明確にディーラーに伝えておくことで、優先的にリストアップされる可能性もある。さらに、抽選販売や特定の条件(過去のレクサス購入歴など)が付される可能性もゼロではないため、資金準備を含め、いざという時のための備えをしておくことも賢明な判断となるだろう。オーナー予定者の間では、GRヤリスのエンジンを積んだLBXへの期待感が非常に高く、コンパクトでありながら尖ったモデルの登場を歓迎する声が多数聞かれる。

LBXの維持費と経済性

レクサスLBXの購入を検討する際、車両価格だけでなく、購入後の維持費や経済性についても把握しておくことは非常に重要だ。車の維持費には、燃料費、税金、メンテナンス費用、保険料などが含まれるが、LBXはこれらの項目においてバランスの取れた経済性を備えていると言える。

まず燃料費に関して、LBXは1.5L直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載しており、優れた燃費性能を発揮する。特に市街地モードでの燃費効率が高く、都市部での使用においてはガソリン代を大幅に節約できるのが強みだ。WLTCモード燃費はFFモデルで27.7km/Lから28.0km/L、AWDモデルで26.2km/Lから26.4km/Lを記録しており、ユーザーの平均実燃費も20.94km/L(レギュラーガソリン)と良好な数値を示している。さらに、LBXはレギュラーガソリン仕様であるため、MORIZO RRのようにプレミアムガソリンが必要なモデルと比較して、日々の燃料費をより抑えることが可能だ。

次に税金についてだが、LBXの1.5L直列3気筒エンジンは1500cc以下の排気量に該当するため、自動車税が軽減対象となる場合がある。また、エコカー減税の対象となるモデルも存在し、購入時の負担を軽減できる可能性がある。車両重量税については、全グレードが1.0t~1.5tの範囲に収まっているため、グレードによる税額の違いは発生しない。ただし、ハイパフォーマンスモデルのMORIZO RRは総排気量が1.6Lとなるため、通常のLBXよりも自動車税が高くなる点には注意が必要である。

メンテナンス費用については、レクサスブランドならではの高水準なアフターサービスと定期メンテナンスが特徴だ。充実した保証制度や点検プログラムが整備されており、予期せぬ修理費を抑える設計となっているため、長期的に安心して所有できるだろう。

その他、近年注目される車のサブスクリプションサービス「KINTO」でもLBXを取り扱っている。KINTOを利用すれば、月々定額料金で車両代金、登録諸費用、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがすべてコミコミとなる。初期費用0円のプランや、契約時に申込金を支払うことで解約金が0円になるプランなども用意されているため、初期費用を抑えたい方や、ライフスタイルの変化に柔軟に対応したい方にとって、魅力的な選択肢となるだろう。

このように、LBXは「信頼性」「燃費効率」「充実したサポート体制」の3点が揃っており、レクサスブランドのプレミアム性を享受しつつも、総合的に見て経済的に長く付き合える一台と言える。

レクサスLBXは買うべきか?主要ポイントまとめ

  • レクサスLBXは、コンパクトサイズながら上質さを追求したレクサス初のBセグメントSUVである
  • 全長4,190mmで都市部での取り回しが良く、狭い道や駐車場での運転が容易である
  • 内装はセミアニリン本革やウルトラスエードなどの上質な素材を使用し、高い質感を持つ
  • 1.5L直列3気筒ハイブリッドシステムを搭載し、電気リッチで応答性の高い加速感を実現している
  • WLTCモード燃費は2WDで27.7km/L、AWDで26.2km/Lと優れた燃費性能を発揮する
  • 高速走行時の静粛性は高く、快適なドライブ空間を提供する
  • 最新の安全技術「Lexus Safety System+」を標準装備し、高い安全性を確保している
  • 後部座席にリクライニング機能はないが、クッション性や空間設計により快適性は確保されている
  • ラゲージスペースは9.5インチゴルフバッグを横向きに収納できる実用性を持つ
  • 新車価格は約420万円から720万円で、レクサスとしては比較的手が届きやすい価格帯である
  • 3年落ちのリセールバリューは平均75.1%と高く、特にMORIZO RRグレードの残価率が良い
  • 人気グレードやオプションによっては納期が数ヶ月かかる場合があるが、生産安定化により短縮傾向にある
  • 「MORIZO RR」は1.6Lインタークーラーターボエンジンを搭載し、よりスポーティな走行性能とMT設定を持つ
  • ステアリングスイッチの反応性やブレーキホールドのメモリ機能の有無など、一部操作性や機能に関する不満の声もある
  • 「小さな高級車」というコンセプトであるため、上位車種のような絶対的な高級感やパワーを期待するとギャップを感じる可能性がある
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