「トヨタ アクア の 欠点」と検索し、この記事にたどり着いたあなたは、アクアの購入を検討する中で、何かしらの不安や疑問を抱えているだろう。トヨタが誇る低燃費のハイブリッドカーとして高い人気を誇るアクアだが、一部では「やめとけ」といった否定的な意見も聞かれるのは事実だ。この記事では、アクアの購入後に後悔しないよう、その理由や注意点を深掘りして解説する。
この記事のポイント:
- 駆動用バッテリーの劣化や交換に十数万円かかる可能性がある
- 後部座席や荷室の空間が狭いと評価されることが多い
中古アクアで注意すべき故障リスクや見落としがちなコスト面、さらには安全性に関する情報まで網羅し、あなたの賢い車選びをサポートする。アクアのメリットだけでなく、隠れたトヨタ アクア の 欠点もしっかり把握し、納得のいく一台を見つけてほしい。
- 内装のプラスチック素材が多く安っぽい印象がある
- 電動パーキングブレーキが非搭載で利便性に欠ける
- 高速走行時のロードノイズやエンジン音が気になる場合がある
- 一部グレードで先進安全装備が限定的である
トヨタアクアの主な欠点と注意点

- ハイブリッドバッテリーの寿命と交換費用
- 狭さを感じる後部座席と荷室
- 内装の質感とデザインへの評価
- 走行性能と乗り心地の課題
- ロードノイズやエンジン音の対策
- 先進安全装備の機能不足と確認点
ハイブリッドバッテリーの寿命と交換費用
トヨタ アクアの購入を検討する際、特に中古車の場合、ハイブリッドバッテリーの寿命とそれに伴う交換費用は大きな懸念材料となるだろう。ハイブリッド車にとって駆動用バッテリーは心臓部とも言え、その劣化は車両全体の性能に直結する。
多くのユーザー報告や整備現場の知見から、アクアの駆動用バッテリーの寿命は8年から10年、または走行距離10万kmから15万km程度が目安とされている。もちろん、使用状況やメンテナンスの頻度によってこの期間は前後する。短距離移動が中心で充放電が偏ったり、極端な寒暖差の環境下で使用されたりすると、劣化が早まる可能性もある。一方で、トヨタのハイブリッド技術は高い信頼性を誇るため、定期的な点検を怠らなければ、目安期間を超えて長く使用できるケースも珍しくない。
問題は、バッテリーが劣化した際の交換費用が10万円から20万円、場合によってはそれ以上と高額になる点にある。この費用は、燃費の良さで浮いたガソリン代を一瞬で吹き飛ばすほどのインパクトを持つため、「ハイブリッドの意味がない」と感じるユーザーもいるほどだ。加えて、駆動用バッテリー以外にも、通常のガソリン車と同様に3年から5年で交換が必要になる補機バッテリーの存在も忘れてはならない。
中古車購入時は、バッテリーの劣化状態を事前に確認することが非常に重要である。販売店でバッテリー診断の結果を確認したり、整備記録の有無をチェックしたりするべきだ。また、一部の信頼できる販売店では、バッテリー交換済みの車両を取り扱っている場合もあるため、そうした車両を検討するのも良い方法だ。このように、バッテリーに関するリスクを理解し、適切な対策を講じることで、アクアを長く安心して乗り続けることができるだろう。
狭さを感じる後部座席と荷室
トヨタ アクアはコンパクトハイブリッドカーとして人気を集める一方、室内空間、特に後部座席や荷室の狭さを指摘する声が少なくない。コンパクトカーである以上、ある程度の制約は当然だが、アクアは特にその点が顕著に感じられる場合がある。
後部座席について、新型アクアでは足元空間が広くなったという意見もあるものの、依然として「狭い」「窮屈」といった感想が多数見受けられる。特に、天井の低さが圧迫感を与える最大の原因として挙げられている。空気抵抗を抑え、燃費性能を追求した結果として、このような設計になったと考えられる。大柄な大人が長時間座るには厳しい、あるいは男性は辛そうといった具体的な声もある。
また、荷室の容量もライバル車と比較すると見劣りする。新型アクアの荷室容量は278Lであり、ノートe-POWERの340Lやフィットの427Lと比べると大きな差がある。後部座席に人を乗せた状態で、ホームセンターでの買い物や旅行の際に荷物が多くなると、スペース不足を感じることは避けられないだろう。さらに、ノートには後席スライド機能、フィットには後席チップアップ機能があるのに対し、アクアにはそうした便利な機能が備わっていない。
このような理由から、アクアは1人から2人での利用には最適だが、ファミリーユースや荷物を多く積む用途には不向きな側面があると言える。購入を検討する際は、家族構成やライフスタイル、普段の利用シーンを具体的にイメージし、ディーラーで実際に後部座席の広さや荷室の積載能力を確認することが重要だ。この確認を怠ると、「こんなはずじゃなかった」と後悔することにつながりかねないだろう。
内装の質感とデザインへの評価
トヨタ アクアの内装は、モデルチェンジを経て大きく進化しているが、その質感やデザインに対する評価は人によって分かれる。特に旧型アクアは「安っぽい」「チープ」という意見が多かった一方で、新型アクアでは改善が見られる。
旧型アクアの内装は、エコカーとしての実用性やコストを最優先した設計だったため、硬質プラスチック素材が目立ち、シンプルで無機質な印象が強かった。これが「安っぽく見える」という評価につながった主な理由である。しかし、マイナーチェンジでピアノブラックやシルバー加飾が加えられるなど、質感を高める努力は行われていた。
一方、2021年以降の新型アクアでは、デザインと快適性の両立を目指し、内装の質感が向上している。柔らかみのある曲線デザインが取り入れられ、ドアトリムやシート素材に布や合成皮革のコンビ素材が使用されるなど、見た目と触り心地への配慮が見られる。特に最上位のZグレードでは、合成皮革シートや10.5インチディスプレイ、上質な加飾が施されており、コンパクトカーとしては高級感のある仕上がりとなっている。これにより、「安っぽい」と感じる印象は大きく軽減されている。運転席周りの収納も豊富で、USBポートや蓋つきの収納など、現代のライフスタイルに合わせた配慮がされている点も評価できる。
しかし、全てのグレードでこの上質感が得られるわけではなく、基本的には機能性を重視したシンプルな設計がベースにあるため、下位グレードでは物足りなさを感じるユーザーもいるだろう。また、新型アクアのフロントマスクが「ナマズ顔」と評され、好き嫌いが分かれるデザインであることも指摘されている。ナビが少し寂しいという意見もあるが、CarPlayが使えるため、機能面では問題ない。メーター表示は大きく、老眼でも見やすいという評価もある。
総じて、新型アクアの内装は「良くなった」という声が多いものの、期待する「高級感」を得るためには、Zグレードのような上位モデルを選択する、あるいはシートカバーや内装パネルなどのカスタムパーツで自分好みにアレンジする必要がある。
走行性能と乗り心地の課題

トヨタ アクアの走行性能と乗り心地については、初代と新型で大きな変化が見られる。初代アクアは燃費性能を最重視した設計だったため、走行性能や乗り心地の面で課題が指摘されることが多かった。しかし、2021年のフルモデルチェンジでこれらの点は大幅に改善された。
初代アクアは「加速が悪い」「乗り心地が悪い」という声が多数あった。特に路面の凹凸をダイレクトに拾う突き上げ感や、タイヤが原因とされるゴツゴツした乗り心地が指摘されていた。また、エンジンの唸りや振動が気になるという意見も聞かれた。
一方で、新型アクアでは、バイポーラ型ニッケル水素電池の採用により、瞬時に電気を放出できる量が増え、加速力が向上している。発進時のスムーズな加速は、「気持ちいい」と感じるユーザーも多い。しかし、アクセル全開での加速では「2段加速する感じがある」との声もあり、初期のレスポンスからの落差で、むしろ従来の方が良いと感じる場合もある。これは、継続的な高出力にはエンジンの能力が追いつかないためだろう。
乗り心地も、TNGAプラットフォームの採用と、Zグレードに搭載されたスウィングバルブショックアブソーバーにより、大幅に改善されている。路面の凹凸を上手くいなし、直接的な衝撃が伝わりにくくなったため、「上品になった」「レクサス並み」といったポジティブな評価も増えている。しかし、高速走行時や荒れた路面では、依然としてロードノイズやエンジン音が気になるという意見も存在し、特にエンジンがかかった時のボーッという音が耳障りに感じることもある。
また、ブレーキタッチの悪さもデメリットとして挙げられる。回生ブレーキから物理ブレーキへの切り替わりが雑で、ドライバーが首を振ってしまうほどの違和感を感じるという声もある。さらに、EV走行からエンジンがかかるときの振動も気になる点だ。
全体として、新型アクアは日常使いや街乗りでは十分に快適で、以前よりも運転が楽になったという声が多い。しかし、運転の楽しさやスポーティさを求める層には、ヤリスと比較してマイルドな特性と感じられるかもしれない。購入前に試乗し、自身の運転スタイルや重視するポイントに合うか確認することが大切だ。
ロードノイズやエンジン音の対策
トヨタ アクアは、特に初代モデルにおいて、ロードノイズやエンジン音の大きさが欠点として挙げられることが多かった。静粛性は快適な車内空間を保つ上で重要な要素であり、これが不十分だと長距離移動での疲労感につながることもある。
初代アクアのユーザーからは、「路面の凹凸を拾い、ゴォーーーという音が車内に響く」「高速道路でエンジン音が唸りを上げる」「風切り音が大きく萎えた」といった声が聞かれた。特に高速走行時や荒れた路面では、これらの音が顕著に感じられる傾向にあった。ロードノイズの原因として、燃費を重視したエコタイヤが標準装備されている点が指摘されている。
しかし、2021年のフルモデルチェンジ後の新型アクアでは、ロードノイズや静粛性に関して改善が見られる。遮音性のあるBSのエコピアが採用されたことにより、ロードノイズが抑えられたという声がある。また、街乗り速度域では、風切り音もほとんど気にならず、EV走行であれば非常に静かである。
それでも、高速走行時やアクセルを深く踏み込んだ際には、エンジン音が気になる場合がある。バイポーラ型バッテリーによる鋭い加速感が得られる一方で、その加速を継続する際にエンジンが高回転で唸る音が「雑音に感じる」という意見も聞かれる。これは、日常速度域でのEV走行時の静かさとのギャップにより、余計にエンジンの音が気になってしまうためかもしれない。
ロードノイズやエンジン音の対策としては、社外品のデッドニング材をドアやフロアに追加する、あるいは静粛性の高いタイヤに交換するといった方法が考えられる。これらの対策は費用はかかるものの、車内での会話のしやすさや、長距離移動時の快適性を向上させる効果が期待できる。
購入前に試乗する際は、様々な速度域や路面状況で走行し、自分が気になる音のレベルかどうかを確かめることが重要だ。特に静粛性を重視するならば、ディーラーオプションや社外品での対策も視野に入れつつ、慎重に検討するべきだろう。
先進安全装備の機能不足と確認点
トヨタ アクアは、時代の要請に応える形で先進安全装備を搭載しているものの、一部ユーザーからは機能不足やグレード間の装備差に対する不満の声が聞かれる。特に初代モデルと新型モデル、そしてグレードによってその内容に大きな違いがあるため、購入時には注意が必要だ。
初代アクアのモデルでは、先進安全装備は限定的であった。例えば、自動ブレーキや誤発進抑制機能がないグレードも存在し、トヨタセーフティセンスが非搭載の車両も多かった。これに対し、2021年に発売された2代目アクアは「Toyota Safety Sense」が全車標準装備となり、歩行者検知機能付きのプリクラッシュセーフティや全車速追従式のクルーズコントロールなど、より高度な予防安全機能が搭載された。
しかし、新型アクアであっても、全ての先進安全装備が全てのグレードで利用できるわけではない。例えば、アクセル踏み間違い防止装置「パーキングサポートブレーキ」が標準装備されるのは上級のZとGに限られ、XとBではオプション扱いとなる。また、電動パーキングブレーキが全車で未搭載である点は、多くのユーザーから不満の声が集中する部分だ。これは利便性の面で見劣りし、軽自動車でも採用が進む中で「時代遅れ」と感じる人もいるだろう。アダプティブクルーズコントロールには停止保持機能があるものの、完全な自動駐車支援機能などは最上位グレードに限定される傾向がある。
ライバル車と比較すると、ホンダ フィットや日産 ノートe-POWERは、より幅広いグレードで先進安全装備が標準化されており、電動パーキングブレーキやアダプティブクルーズコントロールが搭載されているモデルもある。
購入を検討する際は、希望する安全装備がどのグレードに搭載されているかをカタログや販売店で細かく確認することが不可欠だ。価格だけでグレードを選ぶと、後になって「欲しかった機能がついていない」と後悔する可能性がある。自身の運転スキルや重視する安全性能のレベルを明確にし、それに合ったグレードを選ぶことが、満足度の高い選択につながるだろう。
アクアの隠れた欠点と後悔しない選び方

- 中古アクアに潜む故障リスク
- 低年式車両に多い懸念点と確認
- 高額修理に備える保証の重要性
- 車両トラブルやリコールへの対応
- 購入後に後悔しないためのグレード選び
- アクアの価格とリセールバリュー
- 導入時のデメリットと注意点
- トヨタ アクアの欠点:主要な注意点
中古アクアに潜む故障リスク
中古のトヨタ アクアは魅力的な選択肢に見えるが、年式や走行距離によっては注意すべき故障リスクが潜んでいる。トヨタ車は一般的に信頼性が高いとされているものの、ハイブリッド車特有の部品や経年劣化によるトラブルは避けられない場合がある。
最も大きな懸念は、前述の通り、ハイブリッドシステム関連部品の故障とそれに伴う高額な修理費用である。駆動用バッテリーだけでなく、駆動用モーターやインバーター、電動エアコンといったハイブリッド特有の部品が故障すると、数十万円単位の出費が発生する可能性がある。中には「駆動用バッテリーとインバーターが故障し、ディーラーで82万円の見積もりが出た」という極端な事例も報告されている。
また、年数や走行距離が進むと、経年劣化によるトラブルも避けられない。例えば、ラジエターからの水漏れは、走行距離が浅い車両でも年数経過で突然発生することがあり、交換には10万円ほどの費用がかかる場合がある。エンジン内部についても、オイル交換が適切に行われていなかった場合、スラッジが蓄積してエンジンの焼き付きにつながるリスクがある。中古車を選ぶ際には、オイルフィラーキャップを開けて内部の状態を確認したり、整備履歴の有無をチェックしたりすることが重要だ。
その他、ナビのフリーズ、パワーウィンドウの動作不良、メーター表示の不具合といった電装系のトラブルも一定数報告されている。さらに、過去の事故歴や水没歴がある車両は、相場より著しく安価な場合があるため注意が必要だ。こうした車両は見た目では判断しにくく、購入後に隠れた不具合が発覚し、高額な修理費用が発生するリスクがある。
「部品屋のウラ話」で詳しく解説されているように、中古車の「当たり」と「ハズレ」は、前オーナーがどれだけ愛情を持ってメンテナンスを行っていたかに大きく左右される。したがって、購入前には試乗時の細かい動作確認や、信頼できる販売店での購入、そして保証の有無を必ず確認するべきである。
低年式車両に多い懸念点と確認
トヨタ アクアの低年式車両、特に初代モデル(2011年~2021年生産)は、現行モデルと比較していくつかの懸念点が存在する。中古車市場では手頃な価格で見つかることが多いが、安さに惹かれて安易に選ぶと後悔する可能性もあるだろう。
最も大きな懸念は、走行用ハイブリッドバッテリーの劣化である。初期モデル(2011年~2014年式)はすでに10年以上経過している車両も多く、バッテリーの寿命目安を過ぎている可能性が高い。劣化が進むと燃費が悪化したり、走行性能が低下したり、最終的には交換が必要になり高額な費用が発生するリスクがある。
また、初代モデルは現行モデルに比べて先進安全装備が弱い傾向にある点も注意が必要だ。トヨタセーフティセンスが非搭載のグレードが多く、自動ブレーキや誤発進抑制などの機能が備わっていない車両も存在するため、現代の安全基準から見ると物足りなさを感じるかもしれない。
内装の質感も、初代モデルは「安っぽい」「チープ」という評価が多かった。特に初期の年式では、プラスチック素材が多く使われ、デザインもシンプルすぎて個性が感じられないという声があった。乗り心地に関しても、初代は「硬い」「突き上げがある」といった不満が聞かれることが多かった。
購入を検討する際は、これらの懸念点を踏まえた上で、以下の点を必ず確認すべきだ。まず、バッテリーの診断結果や保証の有無。次に、安全装備の内容が自身の求める水準を満たしているか。そして、実際に試乗して乗り心地や内装の質感を確認すること。安さだけで選ばず、車両の状態や装備内容を総合的に判断することが、後悔しないための賢い選択となるだろう。
高額修理に備える保証の重要性
中古車を購入する際、特にハイブリッド車であるトヨタ アクアの場合、高額な修理費用が発生するリスクを考慮し、保証の有無を重視することが極めて重要である。たとえ購入時に問題がなくても、時間が経過すれば予期せぬ故障が発生する可能性はゼロではない。
アクアはハイブリッド特有の部品を多く搭載しており、駆動用バッテリー、インバーター、電動エアコンなどが故障すると、修理費用が数十万円単位になるケースがある。例えば、ラジエターからの水漏れも10万円コースの高額修理になることがある。このような高額修理が発生した場合、保証がなければ全て自己負担となるため、購入者が大きな経済的負担を強いられることになる。実際に、「中古車を買って2週間で故障し、保証がなかったため20万円近くの修理費を自費で払った」というユーザーの声も報告されている。
そこで重要になるのが、「保証」の活用である。新古車や走行距離の浅い中古車であれば、新車時に付帯しているメーカー保証を引き継ぐ「保証継承」の手続きを行うことで、メーカーの保証期間内であれば無償修理を受けられる可能性がある。この手続きには2~3万円程度の費用がかかるが、万が一のトラブルに備える「転ばぬ先の杖」として、決して惜しむべきではない。実際に、保証継承を怠ったために新車登録から間もない車両の故障修理を自己負担することになった事例も存在する。
メーカー保証が切れている車両や、より長期間の安心を求める場合は、中古車販売店が独自に提供する保証や、カーセンサー、グーといった大手中古車情報サイトが提供する有償保証を検討するべきだ。これらの保証に加入することで、万が一の故障時にも修理費用をカバーしてもらえる可能性が高まる。加えて、一部の自動車保険では月々わずかな費用で「故障保証」を受けられるものもあるため、合わせて検討すると良いだろう。
総じて、高額な修理リスクに備えるためには、購入価格だけでなく、整備内容や保証の有無、そして保証期間や保証範囲をしっかりと確認することが、後悔しない中古車選びの鍵となる。
車両トラブルやリコールへの対応
トヨタ アクアに限らず、全ての車両には予期せぬトラブルや、製造上の欠陥によるリコールが発生する可能性がある。これらの情報に適切に対応することは、安全なカーライフを送る上で不可欠だ。
まず、アクアにおいて過去に国土交通省へ届け出されたリコール事例がある。最も直近では、2023年10月18日に、令和5年1月から3月に生産されたアクアの一部車両について、後部座席ベルトの製造管理が不適切なため、衝突時の乗員保護性能を満足しないおそれがあるというリコールが届け出されている。このリコールでは、対象車両の左右後部座席ベルトの製造番号を点検し、該当する場合は良品に交換する改善措置がとられた。
さらに、部品屋の視点から指摘されている重大なリコールとして、令和3年6月9日から令和5年4月24日までの期間に生産された2代目アクアの一部車両において、足回りの部品である「ロアアーム」に亀裂が入り破断する危険性がアナウンスされた事例がある。このトラブルは実際に31件発生しており、うち4件は走行安定性の不良という恐ろしい状況につながっている。改善措置としては、ロアアームを点検し、亀裂がある場合は良品に交換する対応がとられている。
また、令和3年6月から令和4年12月までの期間に生産されたMX系アクアでは、フロントガラスの「白クスミ、曇り」に関する無償交換措置も講じられている。これは、特殊コーティングが洗浄力の強いガラス洗浄剤や紫外線の影響で損傷し、白くかすむ恐れがあるというものだ。これらのリコールや無償交換の対象車両かどうかは、トヨタのリコール等情報対象車両検索で確認できる。国土交通省のリコール情報サイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_004823.html)なども活用し、自身で確認することも推奨される。
中古車購入時には、これらリコール対象車両であった場合に、改善措置が適切に実施されているかを必ず確認する必要がある。整備工場からの報告では、リコール対象車両であっても、何らかの理由で改善措置を受けていないケースが少なくないという。高速走行中にロアアームが破断するなど、重大な事故につながる可能性のあるリコールもあるため、販売店にしっかり確認し、未実施であれば対応してもらうことが重要だ。
その他、ハイブリッドバッテリーの冷却ファンが埃で詰まり、警告灯が点灯するなどのトラブル事例もある。これは高額なバッテリー交換に至らず、清掃で改善されるケースもあるため、異音や警告灯の点灯があれば早めに点検を依頼すべきだろう。
購入後に後悔しないためのグレード選び
トヨタ アクアの購入を検討する際、特に中古車市場では様々な年式やグレードの車両が出回っているため、購入後に後悔しないためには賢いグレード選びが不可欠である。単に価格の安さだけで選んでしまうと、装備面や快適性で不満が生じる可能性が高い。
初代アクアの「Lグレード」のように、装備が最低限に抑えられた廉価モデルは、価格は安いものの、パワーウィンドウが非搭載であったり、エアコンがマニュアル式だったりするなど、日常使用で不便を感じる場面も少なくなかった。また、バッテリーも他のグレードと異なる場合があり、新型アクアならではのドライバビリティを味わえないこともある。
現行の2代目アクアでは、グレード体系がシンプルに整理され、全4タイプとなっている。この中で推奨されるのは、「S」以上のグレードである。特に「G」や「Z」といった上位グレードは、安全装備や快適装備が充実しており、より満足度の高いカーライフを送れる可能性が高い。例えば、アクセル踏み間違い防止装置「パーキングサポートブレーキ」や一部の先進安全機能は、これらの上位グレードで標準装備される傾向がある。
内装の質感もグレードによって大きく異なり、Zグレードでは合成皮革シートや10.5インチディスプレイ、上質な加飾が施され、高級感が増す。もし内装の質感やデザインを重視するなら、Zグレードを検討するか、あるいは購入後にカスタムパーツで補うことも可能だ。
ただし、注意点として、新型アクアでも電動パーキングブレーキが全車で未搭載であるという点がある。他社のコンパクトカーでは標準装備化が進む機能であるため、これに慣れている場合は不便に感じるかもしれない。
購入前には、価格だけでなく、自身のライフスタイルや重視する装備、乗り心地、内装の質感などを総合的に判断し、最適なグレードを選ぶことが重要だ。実際にディーラーで試乗し、各グレードの現車を見て比較検討することで、「思っていたのと違った」という後悔を避けることができるだろう。
アクアの価格とリセールバリュー
トヨタ アクアは、低燃費ハイブリッドカーとして高い人気を誇る一方、その価格設定とリセールバリューについては、購入前に多角的に検討すべき点がある。
まず、購入価格について言及する。新型アクアのエントリーグレードは198万円からだが、実質的なエントリーグレードは装備が充実したXグレードの209万円からとなる。これは同クラスのガソリン車(ヤリスやスイフトなど)と比較すると、初期費用が割高に感じられる傾向にある。ハイブリッドシステムを搭載しているため当然ではあるが、「思ったより安くない」という印象を持つ人も少なくない。オプションを多数追加すると300万円近くになる場合もあり、「ヤリスにしておこうか」と悩む声も聞かれる。
次に、リセールバリューについてだ。資料によっては、アクアのリセールは「高リセール」と評価されている場合がある。しかし、一方で中古車市場での流通量が非常に多いため、値崩れしやすい傾向があるという意見も存在する。人気車種ゆえに流通量が多く、それが競合の増加につながり、売却価格が伸び悩む可能性を秘めているのだ。特に旧モデルや走行距離が多い車両は価格がつきにくい傾向にあるため、数年後に高値での売却を期待するのは難しいかもしれない。
維持費に関しては、アクアの燃費性能の高さが大きなメリットとなる。WLTCモードで最大35.8km/Lというカタログ値は、ライバル車と比較しても非常に優れており、ガソリン代を大幅に抑えることが可能だ。年間維持費の目安は約20万~25万円程度とされ、経済的な運用が可能である。しかし、前述したハイブリッドバッテリーの交換費用など、突発的な高額出費が発生するリスクも考慮に入れておく必要がある。
購入を検討する際は、新車だけでなく、走行距離の少ない未使用車や高年式の中古車も比較対象に入れることを推奨する。新車と数十万円の差で未使用車が手に入る場合もあり、価格と性能のバランスを考慮するとお得感が増すケースがある。最終的に、価格の安さだけでなく、車両の状態、装備、保証の有無など、トータルコストと満足度を総合的に判断することが、後悔しない購入につながるだろう。
トヨタ アクアの欠点:主要な注意点
- ハイブリッド関連部品の修理費用が高額になる場合がある
- 駆動用バッテリーの劣化や交換に十数万円かかる可能性がある
- 後部座席や荷室の空間が狭いと評価されることが多い
- 内装はプラスチック素材が多く、チープな印象を与えることがある
- 電動パーキングブレーキが搭載されておらず、足踏み式である
- 高速走行時にロードノイズや風切り音が目立つ場合がある
- アクセルを踏み込んだ際にエンジン音がうるさいと感じるユーザーがいる
- 乗り心地が硬めだと感じる人もいる
- 全開加速時やエンジン始動時に振動や不自然なつながりを感じることがある
- ブレーキの回生から物理ブレーキへの切り替わりに違和感がある
- 初代モデルは安全装備が限定的で、現行基準に比べて物足りない
- 中古市場での流通量が多いため、売却時のリセールバリューが下がりやすい傾向がある
- 新車・中古車ともに同クラスのガソリン車と比較して価格が割高に感じられることがある
- フロントデザインが「ナマズ顔」と評され、好みが分かれる
- リアゲートなど外装部品を破損した場合の修理費用が高額になる可能性がある