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トヨタ決算はいつ?最新動向と将来展望を徹底解説

決算時期 経営

「トヨタ 決算 いつ」と検索している方へ。日本の自動車産業を牽引するトヨタ自動車の決算発表は、常に多くの注目を集めています。本記事では、最新の2025年3月期決算の概要から連結販売台数、配当の状況、事業別や所在地別の変化、そして連結キャッシュフローの推移まで、多角的に分析する。さらに、2026年3月期の業績見通しとその前提、米国関税政策が業績に与える影響、トヨタの強固な収益構造、安定的な株主還元への方針、そしてモビリティカンパニーへの変革という将来の挑戦について詳細に解説し、トヨタの現在の立ち位置と今後の展望を深く理解することができるだろう。

この記事のポイント
  • 最新の2025年3月期決算の詳細な実績
  • 2026年3月期業績見通しと背景にある要因
  • 事業セグメントおよび地域別の収益性変化
  • トヨタが目指すモビリティカンパニーへの戦略と挑戦
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トヨタの決算発表はいつ?概要を解説

決算時期
インデックス
  • 2025年3月期の決算概要
  • 2025年3月期の連結販売台数と配当
  • 事業別と所在地別状況の変化
  • 連結キャッシュフローの推移

2025年3月期の決算概要

トヨタ自動車は、2025年3月期の連結決算を2025年5月8日に発表した。この決算は、2024年4月1日から2025年3月31日までの1年間を対象としたものである。

発表された連結業績によると、営業収益は48兆367億4百万円と前連結会計年度から増加したが、営業利益は4兆7,955億8千6百万円と前年比で減少した。税引前利益は6兆4,145億9百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は4兆7,650億8千6百万円であった。

以下に、2025年3月期と2024年3月期の連結業績を比較する。

項目2025年3月期実績(百万円)2024年3月期実績(百万円)対前期増減率(%)
営業収益48,036,70445,095,325+6.5
営業利益4,795,5865,352,934-10.4
税引前利益6,414,5906,965,085-7.9
親会社所有者帰属当期利益4,765,0864,944,933-3.6

営業利益が減少した主な要因としては、市場環境の一時的な追い風効果と総合投資の影響が挙げられるが、価格改定効果やインセンティブ抑制、そしてバリューチェーン収益の拡大といった改善努力が積重ねられたことで、当初の基準投資から利益を引き上げることができた。特に、生産ペースを1,000万台の巡航速度に回復させるなど、将来に向けた総合投資や足場固めの成果を取り込みながら、原価改善や営業努力による5,100億円のアウトプットが、高水準の利益を確保できた要因である

2025年3月期の連結販売台数と配当

2025年3月期の連結販売台数は、対前期比99.1%の936万2千台となった。このうちトヨタとレクサスの販売台数は、認証問題などによる供給制約があったものの、前期比99.7%の1,027万4千台であった。特に電動車の販売が好調で、ハイブリッド車が牽引役となり、電動車全体の販売台数は前年から85万台増加し、連結販売台数に占める電動車の割合は46.2%まで伸長した。これは、消費者の環境意識の高まりと、各地域における電動車に対する需要増加に、トヨタがマルチパスウェイ戦略で対応していることの表れである。

配当に関しては、2025年3月期の年間配当金は1株当たり90円と決定され、これは前期から15円の増配となった。配当金総額は1兆1,784億3千7百万円に達している。長期保有の株主への報いとして、安定的な増配の方針が継続されている。トヨタは、株主還元を重要な経営方針の一つと位置付け、持続的な成長のための内部留保資金を、次世代技術への投資やステークホルダーへの還元にも充てる方針を示している。

事業別と所在地別状況の変化

トヨタの事業は、主に自動車、金融、その他の事業セグメントに分けられ、それぞれが異なる業績推移を示した。2025年3月期における自動車等セグメントの営業利益は3兆9,402億7千8百万円であった。金融セグメントは、貸付残高の増加が寄与し、6,835億1千9百万円の営業利益を計上し、増益となった。その他の事業も、前連結会計年度に比べて59億円の増益を達成し、1,811億9千4百万円の営業利益を確保している。

所在地別に見ると、日本は仕入れ先基盤強化に伴う費用増加があったものの、3兆1,511億2千3百万円と引き続き高水準の利益を維持した。しかし、諸経費の増加や日野自動車の認証不正問題の影響により、営業利益は減益となった。北米では、品質問題によるインディアナ工場の4ヶ月間の稼働停止が響き、生産台数が減少した影響などで営業利益は1,088億8百万円と大幅な減益となった。

一方で、欧州は原価改善努力により4,155億5千3百万円と増益を達成した。アジア地域は為替変動の影響や諸経費の減少・低減努力によって8,965億1千万円の増益を記録した。その他の地域(中南米、オセアニア、アフリカ、中東)も営業努力により2,526億2千6百万円の増益となった。中国事業の営業利益および持分法による投資損益は、販売費の増加などにより減益傾向を示した。各地域における経済情勢や競争環境、為替変動が業績に大きく影響することが、これらの状況から読み取れる。

連結キャッシュフローの推移

トヨタの連結キャッシュフローは、2025年3月期においていくつかの変動を示した。営業活動によるキャッシュフローは3兆6,969億3千4百万円の増加となったが、これは前連結会計年度の4兆2,063億7千3百万円と比較して減少している。この営業活動によるキャッシュフローの減少は、親会社所有者帰属持分の当期利益の減少と、資産負債の増減による影響が大きい

投資活動によるキャッシュフローは、△4兆1,897億3千6百万円の資金減少を記録したが、これは前連結会計年度の△4兆9,987億5千1百万円からのマイナス幅の縮小を示している。財務活動によるキャッシュフローは1,972億3千6百万円の増加となったものの、前連結会計年度の2兆4,975億5千8百万円と比較すると大幅な減少である。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は8兆9,824億4百万円となり、前期末の9兆4,120億6千万円から減少した

セグメント別に見ると、自動車等セグメントは営業活動で4兆7,366億円の資金増加、投資活動で2兆8,112億円の資金減少、財務活動で2兆6,389億円の資金減少を記録した。一方、金融セグメントは営業活動で1兆223億円の資金減少、投資活動で1兆4,126億円の資金減少、財務活動で2兆8,530億円の資金増加となった。このようなキャッシュフローの変動は、グローバルな事業展開における投資戦略と資金調達の状況を反映している。

トヨタ 決算 いつも詳細が注目される理由

決算時期
インデックス
  • 2026年3月期の業績見通しと前提
  • 米国関税政策が業績に与える影響
  • トヨタの収益構造と強み
  • 安定的な株主還元への方針
  • 将来のモビリティへの挑戦
  • まとめ:トヨタ 決算 いつでも確認できる情報源

2026年3月期の業績見通しと前提

トヨタ自動車は、2026年3月期の連結販売台数を対前期比104.7%増の980万台と見込んでいる。このうち、トヨタとレクサスの販売台数は前期比101.2%増の1,040万台が予想され、電動車は518万4千台(連結販売台数に占める割合は49.8%)に達すると見込まれている。通期の業績見通しにおける為替レートの前提は、1米ドルあたり145円、1ユーロあたり160円と設定されている。

連結決算の見通しでは、営業収益は48兆5,000億円とわずかに増加するものの、営業利益は3兆8,000億円と対前期比で20.8%の減益が予想されている。税引前利益は4兆4,100億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は3兆1,000億円と見込まれている。

以下に、2026年3月期予想と2025年3月期実績の連結業績を比較する。

項目2026年3月期予想
(百万円)
2025年3月期実績
(百万円)
対前期増減率(%)
営業収益48,500,00048,036,704+1.0
営業利益3,800,0004,795,586-20.8
税引前利益4,410,0006,414,590-31.3
親会社所有者帰属当期利益3,100,0004,765,086-34.9

この営業利益の減益には複数の要因が影響している。日野自動車関連の一時費用がなくなることで4,000億円の増益要因がある一方で、為替変動が7,450億円の減益要因となり、市場の影響も3,500億円の減益に寄与するとされている。また、中長期的な視点での持続的成長とモビリティカンパニーへの変革に向けた総合投資として、4,700億円が積み増される計画である。これらの投資は、経営基盤の強化と将来の収益の柱を育てることを目的としている。一方で、台数増減やバリューチェーン収益の拡大などにより3,495億円の改善が進められる見込みである。宮崎CFOは、3.8兆円という見通しをスタート地点とし、前期同様の改善を積み重ねていく意向を示している。

米国関税政策が業績に与える影響

米国における関税政策は、トヨタの業績見通しに大きな影響を与えている。トヨタは2026年3月期の業績見通しにおいて、4月と5月分の影響見込みとして1,800億円を暫定的に織り込んでいるが、これはまだ流動的な要素を含んでいる。報道によると、米国が日本の自動車および自動車部品にかける関税率が27.5%に設定された影響で、今年4月から6月までの決算において、営業利益が4,500億円押し下げられたとされている。さらに、来年3月までの1年間(2026年3月期)の業績予想では、営業利益が合計1兆4,000億円減少するとの見通しが示されている。

トヨタは、関税率が15%に引き下げられるという前提で試算を行っているが、米国政府が引き下げ時期を明確にしていないため、今後さらに業績を下押しする可能性も指摘されている。トヨタとしては、この不確実な状況に対し、「軸をぶらさずに、地道にやれることをやっていく」という基本方針を堅持している。米国向け輸出は約50万台規模であり、短期的な対応として仕向地の調整などを行いながら、中長期的には根本的な対策を進めていく方針である。この状況は、トヨタがグローバルなサプライチェーンと生産体制を持つ中で、常に直面する地政学的リスクの一つとして認識されている。

トヨタの収益構造と強み

トヨタ自動車は過去にリーマンショックで4,610億円の赤字に転落し、手元資金も1.5兆円にまで減少するという厳しい状況を経験した。この経験から、トヨタは「いかなる状況でも生き続けられる」ことを目指し、損益分岐点の引き下げを中心とした財務基盤の立て直しを徹底的に行った。その結果、ROE(自己資本利益率)は10%以上を安定的に達成できるようになり、1台あたりの限界利益も約1.6倍に向上するなど、収益性が大きく改善した

トヨタの収益構造を支える主な強みは以下の3点である。

1. 商品・地域軸経営

各地域のお客様に最適な「もっといいクルマ」を開発し、トヨタ・レクサスのラインナップを拡充している。GRブランドの育成を通じて平均単価を引き上げ、インセンティブを抑制しつつ、一台一台を丁寧に販売する戦略を推進している。

2. TPSの実践と原価改善

トヨタ生産方式(TPS)の徹底と継続的な原価改善努力が、競争力の源泉である。コロナ禍以降も、仕入れ先への累積3.7兆円の還元を行いながら、ステークホルダーと共に原価競争力に磨きをかけている。

3. バリューチェーン収益の拡大

新車ビジネスが市場環境の変化に影響されやすい一方、補給部品や金融サービスなどのバリューチェーンビジネスは、この数年間、毎年1,500億円ペースで安定的に収益を増やし、今期は2兆円を超える水準まで拡大する見込みである。今後もメンテナンスサービスの拡充やコネクティッド技術を活用したファイナンス・保険との連携強化、さらには中古車事業や用品事業の拡大を通じて、保有台数1.5億台の価値をさらに高めていく計画である。また、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)の活用やWoven Cityでの外部パートナーとの連携を通じて、新たな商品やサービスによる収益の上乗せも目指している。これらの強固な財務基盤こそが、トヨタが掲げる「次の道を発明しよう」というグループビジョンの土台となっている。

安定的な株主還元への方針

トヨタは、株主の利益向上を経営の重要な方針の一つと位置づけており、長期にわたって自社株式を保有する株主への報いを基本方針としている。配当金については、安定的かつ継続的な増配に努める方針を掲げている

2025年3月期の年間配当は1株当たり90円であり、これは前期から15円の増配に相当する。さらに、2026年3月期の配当予想は年間95円と、5円の増配が見込まれている。これは、不透明な経済状況下でも長期保有の株主に報いるというトヨタの姿勢を示している。

自己株式取得に関しては、株価水準を考慮し、機動的に実施していく方針である。2023年度には中間で999億円の自己株式取得を実施し、期末には上限を1兆円に設定した。また、2024年5月には将来の株式価値希薄化の懸念を軽減するため、時価2兆円相当の自己株式5.2億株を消却した。内部留保資金は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた環境技術や安全技術など、次世代の成長投資、そして従業員や取引先、地域社会といったすべてのステークホルダーのために活用される。このように、トヨタは株主への利益還元と同時に、持続的な成長のための投資を両立させることを目指している。

将来のモビリティへの挑戦

トヨタ自動車は、「幸せの量産」という使命を果たすべく、自動車会社からモビリティカンパニーへの変革を加速させている。この変革は、交通安全や環境負荷増大、渋滞といったクルマがもたらす負の側面を最小化し、同時に利便性や快適性、運転の楽しさといった正の側面を最大化することを目指している。その道筋は「モビリティ1.0:クルマの価値の拡張」から「モビリティ2.0:モビリティサービス」へと進展している。

カーボンニュートラルへの貢献とマルチパスウェイ戦略

カーボンニュートラル(CN)の実現は、トヨタの最重要課題の一つである。トヨタは「誰一人取り残すことなくCNに貢献する」という理念のもと、BEV(バッテリーEV)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)、CN燃料(カーボンニュートラル燃料)、水素エンジン、FCEV(燃料電池車)といった多様な選択肢を提供する「マルチパスウェイ戦略」を推進している。

具体的には、2026年に次世代BEVの投入を計画しており、2030年までに年間350万台のBEV販売を目指す。この実現のため、液系リチウムイオン電池のエネルギー密度向上やバイポーラ構造の採用、さらには期待の高い全固体電池の実用化に向けた開発も進められている。また、小型eAxleやSiCウェハ(炭化ケイ素半導体)の開発により、車両の電費向上と設計自由度の拡大を図っている。水素事業においては、水素価格の低減が普及の鍵と捉え、商用車での社会実装を加速し、ユニットの外販やマーケットのある国での開発・生産体制の強化、有力パートナーとの連携を通じて、水素社会の実現を目指している。CN燃料の活用も重視されており、ブラジルでのバイオエタノール車の普及やe-fuelの開発が進められている。これら全ての取り組みは、部品調達から生産、使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体でCO2排出量を削減する目標と連携している。

移動の価値の拡張とソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)

トヨタは、より安全で安心、そして楽しい移動の実現に向けて、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)をモビリティカンパニーへの変革を牽引する存在と位置付けている。車両の拡張性を高めるため、電子プラットフォームの革新やソフトウェアプラットフォーム「Arene」の活用が進められている。

特に注目すべきは、NTTとの協業である。両社は交通事故ゼロ社会の実現を目指し、「モビリティ×AI・通信」の基盤構築に着手した。これには、分散型計算資源の整備、大規模データセンターの構築、そして高速かつ途切れない次世代通信環境の実現が含まれる。これらの基盤を土台として、データに基づく車両開発、顧客と共に成長するAIエージェント、車載センサーを活用した新たなサービスなど、SDVがもたらす多様な価値を具体化していく

未来への種まきとして、モビリティのテストコースである「Woven City」では、この秋からフェーズ1の入居と実証実験が始まる。ここでは、クルマの知能化を加速するソフトウェア開発や、ヒト、クルマ、社会をつなぐさまざまな実証実験が行われる予定である。また、「もっといいクルマ」づくりという創業からの原点を追求し続け、ブランド力のさらなる進化を目指している

工場では、労働人口減少といった中長期的な課題に対応するため、採用活動の強化や現場環境改善、多様なメンバーが働きやすい生産ラインの構築、さらには50年先を見据えた「未来工場」プロジェクトなどが進められている。人材育成においても、「モノづくりは人づくり」という理念のもと、「誰かのために、自ら考え、行動し続ける」人材の育成に注力し、社内外のパートナーとの連携を深めながら、モビリティ社会の実現に向けた挑戦を加速している。

まとめ:トヨタ 決算 いつでも確認できる情報源

トヨタの決算情報は、公式サイトや各種金融情報サイトで常に確認可能である。

  • トヨタは2025年3月期決算で増収減益となった
  • 営業利益は総合投資や外部要因の影響を受けた
  • 価格改定とバリューチェーン収益が利益に貢献した
  • 連結販売台数は936万2千台に達した
  • 電動車の販売が大きく伸長し46.2%を占める
  • 年間配当は1株90円で前期比増配を実施した
  • 2026年3月期の営業利益は減益見込みである
  • 米国関税政策が業績予想に影響を与えている
  • トヨタの収益構造はバリューチェーンで安定化している
  • トヨタ生産方式と原価改善が引き続き強みである
  • 株主還元は安定的継続的な増配方針を堅持する
  • 自己株式取得や消却で株主価値向上を図る
  • モビリティカンパニーへの変革を加速している
  • マルチパスウェイ戦略でカーボンニュートラルを目指す
  • SDVやAIを活用した移動価値の拡張に挑戦している
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